わかりやすい地質百科

地質調査業は、建設・防災・環境の分野でジオ・ドクターとしての社会的役割を担っています。

私たちは、私たちの地球がもっと住みやすく、もっと安全であることを願って、日々努力を重ねています。

このような私たちの仕事の概要、調査(診断)方法、調査(診断)機器、解析(診断結果)等の基礎知識をここでご説明します。

随時内容を追加・掲載しますので、ご覧下さい。

地質調査の基本

地質調査の基本的な事柄について解説します。

サンプリング

構造物の設計に必要な地盤の力学特性を調べるための一手法として、乱れの少ない試料を用いた室内力学試験が行われています。(乱れの少ない試料とは、土の構造と力学特性を出来るだけ原位置に近い状態で採取したものをいいます。)本編では、ボーリング孔を利用した乱れの少ない試料を採取するためのサンプリング方法を紹介します。

地盤は、粘性土,砂質土,礫混り土,岩,地盤改良土など様々な状態で存在しており、乱れの少ない試料を採取するためには、地盤の状態に適合したサンプラーを選定することが重要です

シンウォールチューブサンプラー
軟らかい粘性土の採取に用いられています。サンプリングチューブを地盤に静的に押し込み、試料を採取します。
ロータリー式二重管サンプラー
硬さが中位から硬い粘性土の採取に用いられています。先端にビットの付いた外管で地盤を回転切削し、回転しない内管を地盤に押し込み試料を採取します。
ロータリー式三重管サンプラー
主に砂質土の採取に用いられています。先端にビットの付いた外管で地盤を回転切削し、回転しない内管を地盤に押し込み、さらに内側のチューブに試料を採取します。
凍結サンプリング
液体窒素などを用いて地盤を凍結させて、コアリングにより試料を採取する方法です。通常の採取方法では困難な細粒分の少ない砂質土や礫混り土から採取する場合に用いられています。高品質の試料を採取できますが、他のサンプリングよりもコスト高となります。
GPサンプリング
単管のサンプラーに高濃度潤滑剤を充填し、回転切削し試料を取り込みます。循環水を使用しないため試料の表面を洗い流さずに採取できる方法です。凍結サンプリングと同程度の高品質試料を採取できる比較的新しいサンプリング方法です。

表 サンプリング手法の種類と適用地盤
サンプリング手法の種類と適用地盤の表

各種サンプラーの例の図
図 各種サンプラーの例

サンプリング試料の写真

「基礎地盤コンサルタンツ株式会社 久賀 真一」

参考文献
地盤調査の方法と解説 地盤工学会、平成16年6月発行

 

土・地盤を分類する

土木や建築では、丈夫で安全な構造物を作るためには地盤がどんな土で出来ているか知る必要がある。土の強さや変形特性は土の種類毎に整理され、その情報を利用するためにはボーリングなどの地盤調査を行い、土を分類する必要がある。

土を分類する

構造物を作る土地においてボーリング調査を行うことで、N値と代表的な土の試料を得ることが出来る。土は観察により、粘土、シルト、砂、礫あるいは粘土質砂などと分類する。

基本的な分類方法は、地盤工学では「地盤材料の工学的分類方法(地盤工学会基準:JGS 0051)」に基準化されている。地盤材料は図-1に示すように、粒径に応じて砂粒子(あるいは砂分)とか礫粒子(あるいは礫分)と表される。なお、土壌学や地学とは多少の違いがある。

土質材料の工学的分類体系の図

この方法は観察と土質試験値(含有率、塑性図)が必要であるが、ボーリング調査では土質試験を行いながら土を分類することは少なく、通常は目視観察により土の分類を行いボーリング柱状図を作成する。

  1. 分類する試料
    通常、φ66mmのコアチューブではφ50mm以下で採取され、標準貫入試験ではφ35mm以下で採取されるため、主として土質材料を対象とした分類となる。
  2. φ50mm以上の粗礫や玉石
    採取されたコア長で粒径を推定し、φ75mm以上あれば、「玉石まじり」とする。
  3. 細粒分の含有率を推定する。
    • 15%以下なら、細粒分まじり
    • 15%以上なら、細粒分質
    • 50%以上なら、細粒土
  4. 礫分(砂分)の含有率を推定する。
    • 15%以下なら、礫混じり(砂混じり)
    • 15%以上なら、礫質(砂質)
    • 50%以上なら、礫(砂)
  5. 以下のように、分類する
    • 細粒分(粘性あり)15%以下、礫分15%以下⇒粘土、礫まじり砂
    • 細粒分(粘性なし)15%以上、礫分15%以下⇒礫まじりシルト質砂
    • 細粒分(有機質土)15%以下、砂分15%以上⇒有機質土混じり砂礫

地盤を分類する

地形と地盤は密接な関係がある。地形を読むことにより、地盤とその地盤がどんな土から構成されているかを推定することができる。

地形は大略、山地、丘陵地、台地(段丘)、平地(低地)に区分でき、平地(低地)以外の地形(地盤)では支持力や沈下などの問題は少ないが、地すべり、斜面崩壊、土石流などの災害現象の問題が大きい。一方、平地では支持力や沈下などの問題はもとより、洪水、津波、液状化などの災害現象の問題も大きい。

表-1 地形区分とその地盤の問題点
地形 支持力|沈下 災害
山地 少ない あり
丘陵地 少ない あり
台地 少ない あり
平地 あり あり

ここでは支持力や沈下の問題がある低地地盤について、問題のある地盤を区分する。

平地(低地)は谷出口から河口までの地形とすれば、大略、扇状地、氾濫原、三角州に区分でき、そのうち氾濫原や三角州では軟弱地盤を形成していることが多い。

表-2 平地の微地形と地盤
地形 特徴 地盤構成
扇状地   谷口から扇状の緩傾斜地 礫~砂
氾濫原 自然堤防 旧河道や現河道沿いの微高地 礫~砂
旧河道跡 周辺の平地よりやや低く、細長い平地


粘土・シルト


礫~砂

後背低地 自然堤防の背後地 粘土・シルト
三角州 三角州 河口付近の低地で、流路は枝分かれ 砂~粘土・シルト
潟湖跡地 砂州の背後地 粘土・シルト
砂州 海岸に細長く岸と平行に延びた砂地形(例、米子~境港市の弓ヶ浜)

軟弱地盤とは軟らかい粘土や緩い砂で構成され、地盤沈下や地震時に液状化のし易い地盤である。したがって、平地で家を建てるなら、支持力や沈下の問題の少ない扇状地が良いであろう。また自然堤防は以前から集落のある地形であり、木造建築のような軽い建物ならば候補地に挙げられよう。

「アサヒコンサルタント株式会社 福田 正昭」

参考文献
地盤工学編:土質試験の方法と解説、pp.214~221、2000

 

砂の安息角と内部摩擦

安息角(angle of repose)とは、地盤工学会発行の土質工学用語集には、“自然にとりうる土の最大傾斜角で、乾燥した粗粒土の場合は高さに関係しないが、粘性土の場合は高さに影響されるので、安息角は一定の値にならない”と説明されている。

この粗粒土(砂)の性質を利用して、砂山の安息角を測定することにより、内部摩擦角を推定することができる。

応力の状態の解説図
図-1 応力の状態

図-1に示した応力状態の時、斜面が安定するには、すべり力Tと抵抗力Sの間に、T≦Sの条件が成り立つ必要がある。これを展開すると、以下のようになる。

  • W・SINβ≦W・COSβ・TANφ
  • TANβ≦TANφ
  • φ≧β

すなわち、内部摩擦角φは斜面勾配β以上の値であり、安全率1.0の極限状態では内部摩擦角φは斜面勾配βと等しくなる。

砂の安息角(安定勾配)の測定例

乾燥した砂を自然落下させる。
砂の安息角(安定勾配)の測定例。乾燥した砂を自然落下させる。

砂山の勾配βを測定する。
砂の安息角(安定勾配)の測定例。砂山の勾配βを測定する。

「サンイン技術コンサルタント(株) 谷口 洋二」

参考文献
土質工学会編:技術手帳1,P142.

 

土質と地質

土質と地質という用語は似て非なるものです。元来、土質が土質力学や土質工学と呼ばれる学問分野から出てきた用語で、土の性質を表しています。一方、地質は表層の軟らかい地盤より深い岩盤や、山岳地の地盤・岩盤の性質を意味しています。感覚的には、土質が軟らかい地盤、地質が硬質な地盤や岩盤を対象としていると言えます。

両者を扱う専門分野は異なり、大雑把に言って工学と理学の違いがあります。そのため技術士の分野でも「建設部門-土質及び基礎」と「応用理学部門-地質」のように区別されており、両者の違いを整理すると下表のようになります。

技術士専門科目の内容の比較
技術士専門科目 土質及び基礎 地質
部門 建設部門 応用理学部門
主な出身学科
  • 工学部土木工学科
  • 工学部建設系学科
  • 理学部地質科、地学科
  • 工学部資源工学科
  • 教育学部地学科
履修内容 土質力学、構造力学、水理学、測量学 地質学、地質構造学、地質鉱物学、堆積学
主な対象地盤 軟弱地盤、一般の土砂地盤人工地盤 岩盤、硬質地盤
主な対象構造物 河川堤防、道路、鉄道、土地造成、橋梁、斜面、シールドトンネル、建築基礎 山岳道路、ダム、山岳トンネル、地すべり、斜面、原子力
主な要素技術
  • ボーリング調査
  • 原位置試験(貫入試験、etc.)
  • 現場試験(平板載荷、etc)
  • 現場計測(沈下、変位、etc)
  • 地下水調査
  • 環境調査(土壌汚染、etc.)
  • 土質試験、水質試験
  • 構造物基礎調査
  • 耐震地盤調査(液状化、etc.)
  • 沈下解析
  • 支持力解析
  • 地盤応力変形解析
  • 地下水流動解析
  • 地形・地質踏査
  • 岩盤ボーリング
  • 斜面防災調査(落石、etc.)
  • 地すべり調査
  • 物理探査(弾性波探査、etc)
  • 物理検層(PS検層、etc.)
  • 孔内原位置試験
  • 地下水調査・計測
  • 岩石試験
  • 岩盤応力解析
  • 岩盤亀裂解析

(基礎地盤コンサルタンツ(株) 岩崎公俊)

スレーキング

スレーキングとは塊状の物質(土塊や軟岩)が乾燥、吸水を繰り返すことにより、細かくばらばらに崩壊する現象をいう。

モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象

浸水前状況
モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象。浸水前の状況写真。

浸水後5時間
モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象。浸水後5時間後の写真。

スレーキングのメカニズムには主として、次の2つの考え方がある。

  1. 乾燥、吸水が繰り返されると収縮膨張現象で微細なクラックが発生、それが増加して破壊作用が進む。
  2. 乾燥した状態で水が微細なクラックや間隙に浸入すると毛管力の作用で水が内部に引き込まれる。これにより、間隙中の空気が圧縮され、空気圧が上昇する。この、空気圧によって破壊現象が生じる。

スレーキングのメカニズムとしては、以上のようなことが考えられているが、粘土鉱物のモンモリロナイト(スメクタイト)が含まれている場合、スレーキング現象が顕著となる。これは、モンモリロナイトの膨張性によるものであり、水分を吸収したモンモリロナイトが膨張して破壊を発生させるからである。

一般的に、スレーキングを起こす岩石は、第三紀から第四紀の堆積岩で、泥岩、凝灰岩に多い。土木地質的には、スレーキングを起こしやすい岩は盛土材料としては強度低下を起こしたり、圧縮沈下を生じる原因となる。

切土の場合は、スレーキングにより風化速度が速くなり、深部にまで風化が進みやすい。また、強度低下により斜面崩壊や地すべりの要因となる。切土のスレーキング風化を防止するには、切土面をできるだけ乾燥させないようにすることが重要である。このためには、切土直後に緑化やのり枠等で切土面を保護することが望ましい。

「サンイン技術コンサルタント(株) 谷口 洋二」

参考文献
土質工学会編:技術手帳2,P188.

 

地表踏査~走向傾斜をはかる

地質調査を行なう上で最も基本的な事項に位置付けられるもののひとつに『地表踏査』があります。文字通り地表を自らの『足』を使って歩き、地表で確認できる地学現象を調べていきます。その対象は、地形図にみられないような微地形であり、地表で観察される地質であり、あるいは湧泉(湧水のみられる箇所)であったりとその目的により様々です。

このうち地質調査に絞って考えることにしますが、地質学を専門とする技術者の多くは広い視野で調査目的箇所とその周辺の地質を捉えようとします。 それは、普通の人ならいやがるような山に分け入り、地層が露出している箇所(露頭)を探し、そしてわずかに露出した部分からより多くの情報を集め細かく記載していきます。

それは、岩石の種類や割れ目の状態、硬さや風化の程度、周囲との連続性、etc...です。ここでは、こういう一連の地表踏査の中で最も基本的な技能である『走向傾斜をはかる』を説明しましょう。

最初に用語の説明をしておきますが、地層や断層などの傾斜した面と水平面との交線の延びていく方向を『走向』といい、それに直交する方向は最大傾斜を示し、その面の『傾斜』と呼ばれます。この二つの要素を測定、記録することを『走向傾斜をはかる』といいます。

写真に一般的なクリノメーターを示します。

クリノメーターは磁針と水準器、傾斜を測定するための振り子より構成されています。そして外側の目盛は方位を測定する時に使われ、内側の目盛は傾斜を測定する時に使われます。普通のコンパスと違うのは、方位の目盛のEとWが逆になっている点でこの理由は後ほど説明します。

クリノメーター写真
クリノメーター
  1. 磁針
  2. 目盛(方位)
  3. 目盛(傾斜)
  4. 傾斜測定用の振り子
  5. 水準器

図1-aでは、クリノメーターの長辺を地層に密着させ、走向を測定しています。このとき、水準器が水平になるように、長辺を地層面に密着させなくてはなりません。 図1-bにはこのときのクリノメーターの磁針の様子を示しました。磁針はNから60°Wへ寄ったところにあります。これをNを基準にN60°W(あるいはSを基準にS60°EでもOK)と記録します。クリノメーターの目盛のEとWが普通のコンパスと逆位置になっているのは、クリノメーターの目盛がクリノメーターの長辺の方位を示すように作られているからです。

図1-a 走向の測定方法
図1-a 走向の測定方法

図1-b クリノメーターの読み
図1-b クリノメーターの読み

図2-aはクリノメーターの長辺を傾斜方向に向け傾斜方位を読んでいるところです。 この場合の傾斜方向は図2-bに示すようにSW方向です。

図2-a 傾斜方向の測定方法
図2-a 傾斜方向の測定方法

図2-b クリノメーターの読み
図2-b クリノメーターの読み

傾斜の測定方法を図3-aに示します。今度はクリノメーターを立てて長辺が傾斜方向を向くように密着させます。そして、クリノメーターの目盛のところの振り子の指し示す角度を内側の目盛を使って読みます。この場合傾斜は30°です。

こうやって測定された走向傾斜は、N60°W30°SWなどと表記されます。

図3-a 傾斜の測定方法
図3-a 傾斜の測定方法

図3-b クリノメーターの読み
図3-b クリノメーターの読み

「株式会社藤井基礎設計事務所 新宮敦弘」

地下水位測定

工事に伴う地下水調査において、水位測定は最も基本的な事項として重要です。調査現場での地下水位の測定方法は手動の触針式水位計が一般的ですが、長期水位観測等では最近は自動計測が主流となっています。自動水位測定の手法にはいくつかの種類があり、フロートの上下をメカニカルにチャート紙に記録する方法や、圧力センサーを用いた水位測定法等があります。これらの方法には、それぞれ一長一短があり、用途、使用環境に応じて使い分けられています。

a)フロートタイプ
自動水位測定機器。フロートタイプ写真

b)圧力センサータイプ
自動水位測定機器。圧力センサータイプ写真

地下水位測定機器概要

自動計測型水位計は、測定データを長期間記録させることが可能ですが、機器の故障、誤動作、電池切れ、日差の集積、記録の整理等を考えて、定期的に保守点検を兼ねたデータ収録を行い、欠測のないデータを収録するように心掛けます。また、水位観測データは、データ一覧表だけでなく水位経時変動図として降水量の変動と対比できるように整理し、工事との関係を考察します。

自動計測型水位計による観測データグラフ例

「株式会社ソイル・ブレーン 河村志朗」

地層と化石

がけやきり通しなどで、よく縞模様をみかけることがありますね。地層は、砂や泥、れき、火山灰、生物の死がいなどがたい積してできます。

地層の写真近くからよく見ると、板を重ねたように層をつくっているのがわかりますね。

単層地層の写真板を何枚も重ねたように見える部分を単層といい、単層と単層面を地層面または層理面といいます。

地層はどのようにしてできるのでしょうか

地層の写真

地層は水平にたい積しますので、下にある地層の方が古く、上に行くほど新しくなります。

地層はたい積したあとに地殻変動で傾斜したり、しゅう曲し、上下が逆 になったりすることがあります。

地層の重なり方にはせいごう(整合)とふせいごう(不整合)があります。

しゅうきょく(褶曲)

たい積した当時は水平であった地層が、地殻変動のために波状に曲げられた現象をいいます。(フェニックスのしゅう曲)

しゅう曲地層の写真

  1. 地層は普通、水平にたい積します。
    水平にたい積している地層の模式図
  2. 長い月日の間に地層に強い力が加わるとひずみが生じます。
    ひずみが生じている地層の模式図
  3. さらに力が加わり続けると、複雑に曲げらた地層ができます。
    さらに力が加わり複雑に曲げられた地層の模式図

せいごう(整合)とふせいごう(不整合)

地層の重なり方は二種類あります。不整合は、地殻変動があったことを示す証拠になります。

整合地層の写真
せいごう(整合)
上下の地層の重なり方がほとんど連続してたい積(地層の重なりが平行になっているもの)した場合のことをいいます。
不整合地層の写真
ふせいごう(不整合)
時代の異なる地層が重なる時、両者の境界をふせいごう(不整合)といいます。

化石のできかた

地層の中に残された生物の死骸・から・足あとなど生物の残した生活のあとを化石といいます。生物のかたい骨や歯などは化石として残りやすいものです。

化石によって何がわかるのでしょうか

化石を調べると、地層のできた時代を知ることができます。

地層の時代を決めるのに役立つ化石を標準化石示準化石ともいう)といいます。

サンヨウチュウ(古生代)やアンモナイト(古生代の中期)やフズリナ(古生代の後期)などが有名です。

コハクの写真
コハク (琥珀)

アンモナイトの化石写真
アンモナイト

エイの化石写真
エイ

三角貝トリゴニアの化石写真
三角貝トリゴニア

トンボの化石写真
トンボ

フズリナの化石写真
フズリナ

サソリの化石写真
サソリ

サンヨウチュウの化石写真
サンヨウチュウ

ワンソク類の化石写真
ワンソク類

化石の中には、長い地質時代を通して、あまり進化しないで生き続けたなかまがいます。

生きている化石

現在生きているカブトガニは、、古生代初期のものとほとんど変っていません。

この他には、シーラカンス、イチョウ(銀杏)、オウム貝、ハイギョ、オウム貝、ミドリシャミセンガイなど も生きている化石といわれています。

カブトガニの写真
カブトガニ

シーラカンスの写真
シーラカンス

イチョウの化石写真
イチョウ(銀杏)

オウム貝の写真
オウム貝

ハイギョの写真
ハイギョ

ミドリシャミセンガイの写真
ミドリシャミセンガイ

(内海建設コンサルタント株式会社 勝原建夫)

粘土鉱物

天然の粘土は、「粘土鉱物」と呼ばれる鉱物が主成分です。粘土鉱物は、自然界で起こる化学反応により、硬質な鉱物が化学変化してできた物質です。大部分は「層状珪酸塩鉱物」と呼ばれる結晶ですが、ほかにイモゴライト・アロフェンなどの準結晶質~非晶質(結晶の形をとらない)な物質も含まれます。「層状珪酸塩鉱物」は薄い板を何枚も重ねたような結晶構造をなしており、イモゴライト・アロフェンも基本構造は近い形をしています。 岩石を砕いていくと粘土に近いサイズの粒子になりますが、粘土鉱物とは性質が異なります。自然界の粘土には粘土鉱物以外の不純物も混ざっていますが、その性質は粘土鉱物の含有量や性質が大きく関わっています。

層状珪酸塩鉱物の結晶構造の解説図「層状珪酸塩鉱物」の形は図に示すように[四面体シート]と[八面体シート]という板状の結晶体が重なり合ってできています。これらの重なり方や間に挟まれるものの違いで、粘土鉱物の種類や性質が変わってきます。粘土鉱物は、その結晶構造が性質を大きく左右します。例えば「白雲母」は板の間に交換性陽イオンだけを挟んでいますが、「スメクタイト」はさらに水の層をはさんでいます。しかもその水分子を出し入れすることができ、それに伴って体積が大きく変化します。このような水を取り込んで体積が変化する粘土鉱物は「膨潤性粘土鉱物」と呼ばれています。

「膨潤性粘土鉱物」を含む地質は、水分の吸収・放出により、体積・含水比・比重・強度などの性質が大きく変化します。また、膨張・収縮を繰り返すと次第に組織が破壊され、強度が低下していきます。このため「膨潤性粘土鉱物」を多く含む岩盤は厄介な存在です。例えばこれらを多く含む岩盤は、地すべりや崖崩れが起こりやすくなっています。このため、こうした岩盤を対象に土木工事を行う場合には、慎重に調査・分析・検討を行う必要があります。

「(株)エイト日本技術開発 嶋 将志」

鍵層(けんそう)

一般的には「かぎそう」といいます。

地質調査において、互いに離れた2つの地域に認められる地層の新旧を決める作業を「地層の対比」といい、この地層の対比や区分をする際に一つの基準となるのが「鍵層」です。鍵層には通常、火山灰(テフラ)の層・石灰岩の層・石炭の層・化石を含んだ層などが用いられます。しかしながら、どのような地層が鍵層として有効であるかについては、問題とする地域の広さや地質によって異なるため、一概にいうことはできません。

火山灰の層で地表の対比を行う解説図
例 火山灰
別々の火山から噴出した火山灰の性質はその火山ごとに異なっています。ところが、同じ火山の火山灰であっても噴火の時期が異なると、その火山灰に含まれる鉱物や粒の大きさなどに多少なりとも違いが生じているのが普通です。これにより、互いに離れた地域の火山灰の性質についても、容易にそれらが同じであるか否かを決めることが可能となります。この性質のために、火山灰の層は鍵層としてしばしば地層の対比に利用されています。

以上を簡単にまとめると、鍵層は次に示すような条件を備えた地層であるということができます。

  1. 広い範囲にわたって同じ時期に堆積したもの
  2. 鉱物組成や化学成分などが上下を含めた他の地層とはっきり区別できるもの

地質調査において、鍵層の利用はその地域の層の積み重なり方や地質構造の解明を容易にしています。

鍵層の例(美祢の石炭層)
鍵層の例。美祢の石炭層の写真。

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
斎藤正徳・富田晋高(1994):基礎からよくわかる地学ⅠB,旺文社, p327.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

リニアメント

地質調査において、断層や地すべり地形などの調査を行う際には、空中写真と呼ばれる飛行機などによって空中から地表を垂直に撮影した写真がよく用いられます。そして、この空中写真を見ていると直線状の模様に気付くことがあります。これがいわゆるリニアメント(線状模様)であり、空中写真からリニアメントなどを見つけ出す作業を空中写真判読といいます。

リニアメントは、直接的または間接的に地下の地質や構造等を反映しているため、断層などの存在による地形とされることが多くあります。これは、断層の存在箇所では岩石が破砕されて周囲より軟質で崩れやすくなっていることから、地形的に窪みとなり、線状の地形をつくるためとされています。しかしながら、線状模様は何も断層によってのみできるわけではありません。例えば、頁岩の層などの軟質な地層、岩脈と母岩の境界変質部、褶曲軸なども線状の地形をつくることが多いので、線状模様すなわち断層というわけではないのです。

また、いかに詳細で鮮明な空中写真を用いてリニアメントを見出しても、写真はあくまで写真であって、現地踏査によるチェックに勝るものはないということを忘れてはいけません。

リニアメントの例(山口県のランドサット画像)
リニアメントの例。山口県のランドサット画像
山口県にはNE-SW方向のリニアメントが多い

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
羽田 忍(1991):土木地質学入門,築地書館,p175.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

風化作用

岩石が地表にさらされてルーズな含水物質に変化する過程を風化作用といいます。

一般的に、風化作用は次の2種類に分けられます。

  1. 機械的に破片化する物理的(機械的)風化作用
  2. 変質して粘土を生成する化学的風化作用

物理的風化作用

この風化作用は主に温度変化による差別的膨張と水の凍結膨張で起こります。寒冷地や乾燥地ではよく目立ちますが、温暖湿潤地では次に述べる化学的風化作用の産物(粘土など)と重なってあまり目立ちません。この風化作用は「岩石を崩壊させる」タイプの風化であり、以下に主な原因を示します。

気温の変化による崩壊
岩石を構成する鉱物は気温が変化すると膨張または収縮します。この膨張・収縮の程度は鉱物の種類や方向によって異なるため、昼夜などの気温の変化が繰り返されると岩石の中に微小な割れ目が発生します。このようにして岩石は次第に割れ目の数と大きさを増し、やがて崩壊に至ります。
結氷による崩壊
水は氷になると体積が若干大きくなります。このため、岩石の割れ目や隙間に入った水が凍結することによって、これらが拡げられてより大きくなり、岩石は崩壊してしまいます。
植物による崩壊
地表に近い岩石の隙間にはしばしば樹木の根が入り込みます。この根が成長して大きくなると、その力によって隙間はさらに広げられるため、岩石は崩壊します。
気温の変化による崩壊イメージ図結氷による崩壊、植物による崩壊イメージ図

以上の例ではいずれも岩石は細かくなるだけであって、その化学組成は変化していません。このような風化を物理的風化作用といいます。

化学的風化作用

この風化作用では、岩石は水和・炭酸化・酸化・加水分解・溶解など水を中心とした接触反応で分解され、溶け出す成分と溶け残る成分に分かれます。岩石中の化学成分には水に溶け出しやすいものと溶け出しにくいものがあり、Cl・SO4、Na・Mg・Ca、K、Si、Fe・Alの順で減少していきます。このため、溶け残る側の成分では酸化鉄と水酸化アルミニウムが富化していくことになります。また、溶け残る側の成分はその成分同士で再結合して粘土鉱物を形成します。一般に風化の進行に伴って、Alに富む種類の粘土鉱物が増えていくことが知られています。

溶け出しやすい溶け出しにくい

Cl・SO4 < Na・Mg・Ca < K < Si < Fe・Al

例1 カリ長石
花崗岩などの火成岩に含まれているカリ長石は、地表で二酸化炭素が溶け込んだ水と反応して粘土鉱物の一種であるカオリンに変化します。高温多雨な熱帯地方では、カオリンがさらに水と反応して分解され、アルミニウムの原料であるボーキサイトの主成分である水酸化アルミニウムになります。
2KAlSi3O8 + 2H2O + CO2
カリ長石
Al2Si2O5(OH)4 + K2CO3 + 4SiO2
カオリン 水により取り去られる
Al2Si2O5(OH)4 + H2O
カオリン
2Al(OH)3 + 2SiO2
水酸化アルミニウム
例2 石灰岩
石灰岩の主成分は炭酸カルシウムであり、これは二酸化炭素が溶け込んだ水と反応して炭酸水素カルシウムに変化します。このため、石灰岩地域には鍾乳洞やカルストと呼ばれる溶食地形が形成されます。
CaCO3 + H2O + CO2
炭酸カルシウム
Ca(HCO3)2
炭酸水素カルシウム

溶食地形の例。鍾乳洞の写真

以上のように、化学的風化作用は主に水と二酸化炭素などの大気中の成分との反応によって行われます。この他、火山地帯では火山ガスが噴出しているため、岩石と強く反応するSO2などの成分が多く含まれています。これにより、火山地帯では岩石の風化が著しく、樹木も育たないため、殺伐とした風景となっています。

また、化学的風化のしやすさには鉱物による差が大きいため、一般に有色鉱物は風化しやすく、無色鉱物は風化しにくいことが知られています。さらに、有色鉱物および無色鉱物ともに高温で晶出する鉱物の方が風化しやすい傾向があります。火成岩では、カンラン石が最も風化しやすく、石英が最も風化しにくい鉱物として挙げられます。

化学的風化に対する抵抗度の一般的傾向

有色鉱物
カンラン石-輝石-角閃石-黒雲母-白雲母
無色鉱物
灰長石-曹長石-カリ長石-石英
小さい------------大きい

なお、物理的風化作用と化学的風化作用はそれぞれが単独で進行することは少なく、両作用が相互に絡み合いながら進んでいくのが一般的です。

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
石田志朗(1984):理解しやすい 新地学,文英堂, p368.
斎藤正徳・富田晋高(1994):基礎からよくわかる地学ⅠB,旺文社, p327.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

玉石径はコア長の3倍

玉石とは

  日本道路公団第1集p1-32 10~50cm
  土質工学用語辞典(地盤工学会)p25 玉石 boulder 大礫以上
                 大礫(cobble)6.4cm~25.6cm

 日本道路公団の定義では10cmのフルイに残るものが玉石です。つまり、中径bが10cm以上あればよいので、短径cは10cm以下でも玉石があります。
中山(1965)の研究によれば、扁平度=1-c/bが、河川では0.20~0.50とされているので、c=(1-0.2~0.5)×bであり、中径b=10cmとした場合、短径c=5.0~8.0cmとなります。つまり短径c=5cm程度でもb=10cm以上の玉石であることが多いのです。大礫cobble6.4cmの定義や、ボーリングでの回転による押しのけ効果などを考慮すると、少なくともボーリング確認短径c=5㎝以上は、玉石と呼んでいいと考えられます。(b/cは平均的に1.5前後であることが多いので、b=6.4cmとするとc=4.3㎝、b=10cmとするとc=6.7cmになります)

フルイ上の中間径と長径・短径

ボーリング確認径は短径なので長径は何倍?

 河川堆積物の礫~玉石は、平たく並ぶ傾向があるので、垂直に確認するボーリングでは、短径cを確認することになります。そのため、長径aを推定するには、経験則として3倍されることが多く、下記の図書で3倍の経験則が記載されています。
「ボーリングデーターの見方と活用ノウハウ」、近代図書
「ボーリング図を読む」理工図書

 3倍という数値的根拠のひとつは、Krumbein(1955)の球形度{R=(bc/a2)^0.5} と、河川礫の平均球形度が80%の頻度でR=0.3~0.6にあるとした中山(1965)の研究成果から導けます。中径b=1.5cとした場合、R=1.2c/aなので、a/c=2.0~4.0で、平均3.0です。最大値ではなく、平均的に3倍という意味になります。ということは、遭遇確率や不均質分布を考慮した安全側の値ではありません。

全部が平均3倍なのか?

 子供の頃、河原で水面石飛ばしの礫をさがすと、意外にせんべいに近い礫があったような気がします。つまり、小さい礫は河川の水の摩耗で平坦になり、わりと扁平なものを見つけやすくかった記憶があります。小さめの礫ほど扁平なものが多い傾向は、日本全国の河川で確認されています。
木村(2014)によれば、利根川,天竜川,日野川,高梁川,重信川の玉石の径についていずれも同じような短径依存性があることが確認され、短径10cm以下では1/3程度は3~5倍であり、短径20cm以上ではほとんど3倍未満であることが判明しています。
現場毎に周辺の河川礫を測定し、現場特性に合わせて判断することが望ましいのは言うまでもありません。ただ、遭遇確率や不均質を考慮すると、平均の3倍則を当てはめるのではなく、下式の99%確率の式で推定するのも、ひとつの方法といえるでしょう。

 99%確率での推定式
 河川中流~下流: a/c=7.92c^-0.351   a:長径cm c:短径cm
 河川上流:    a/c=9.54c^-0.378

河川中流~下流(5河川 データ数1530個)
河川上流(5河川 データ数3391個)

「株式会社エイト日本技術開発 木村隆行」

参考文献
村田竹外:「礫・玉石混じり地盤の基礎知識」月刊推進技術,Vol.10 ,No1,pp15~22,1996
今田真治,木村隆行:「玉石における長径/短径の寸法効果」第43回地盤工学研究発表会,2008
木村隆行,居川信之,今田真治「玉石における長径と短径の相関」第49回地盤工学研究発表会,2014

 

地形判読

地形とは,地表の高低や起伏の形を言います。谷,平野,台地,丘陵,山地,山脈などは,私たちが日常的によく目にする地形です。地球の表面は,断層運動や火山活動等の影響で持ち上がったり沈み込んだりします。さらに,そのようにしてできた高まりは流水や風の作用により浸食され,生成した土砂は流水や重力の作用により移動し,堆積します。このようなさまざまな成因により,多種多様な地形が形成していきます。

地形判読は,地形図や空中写真などを用いて地形を読み解くことにより,その土地の地形の成因を理解し,大地の物語を明らかにする作業です。地形図は同じ標高を線で結んだ「等高線」により地形の起伏などが描かれた図面で,等高線の間隔が広い所はなだらかな地形であり,逆に間隔が密な所は斜面が急峻であることを示します。空中写真は航空機などから地表を垂直に撮影した写真で,測量などにも用いられる極めて精度の高い写真です。

下に示す空中写真と,同じ地域の地形図を例に,地形判読をしてみましょう。ここは徳島県三好市池田町の中心地です。池田町の市街地が広がる図中央の平坦面は,「吉野川」の河床から数十m高い標高にあり,古い時代の吉野川の河床が地殻変動により隆起してできた河岸段丘と考えられています。市街地の北側の山麓を,現在の吉野川が西から東へ流れます。図右端のA地点では,東北東-西南西方向に直線状に延びる山麓斜面がみられます。その西にあるB地点のすぐ南には,標高差は小さいものの,西南西の方向に延びるはっきりとした崖がみられます。図の左の方へこの崖を追跡すると,なだらかな丘陵地形を分断する谷につながり,C地点に達します。A地点からB地点を経てC地点に至るほぼ直線状の地形(リニアメントと呼びます)は,中央構造線と呼ばれる活断層の運動によって形成された断層変位地形と考えられています。連続的な崖は,河岸段丘が中央構造線によって切断され、上下にずらされてできた断層崖です。またC地点からD地点にかけての範囲には,畑が発達するなだらかな丘陵地形が広がりますが,これはかつての吉野川をせき止めた地すべり移動体と考えられています。中央構造線は河岸段丘と地すべり移動体を共に切断していますので,それらの形成よりも後の,ごく最近に活動した(つまり,地震が発生した)ことが地形から読み取れます。

地形判読は,上の事例で紹介した活断層や地すべりといった地表の変動だけでなく,地質構成や地質構造,地盤の硬軟,地下水の状態といった,地質現象に関する様々な事象の推定にも利用されます。建設技術者は地形判読の技術磨き,それを活用することにより,施工対象地ばかりに目を奪われず,広い視野から地形・地質に関する情報を収集し,問題を解決していきます。これにより,災害に強い,安全な構造物が整備されていきます。

「池田町」の市街地は活断層に切断された河岸段丘面の上に発達している


上:国土地理院発行空中写真csi-74-9 c16a-23,24に一部加筆
下:国土地理院発行2.5万分の1地形図「阿波池田」に一部加筆

「株式会社荒谷建設コンサルタント 加藤弘徳」

参考文献
水野清秀・岡田篤正・寒川 旭・清水文健 (1993):2.5万分の1中央構造線活断層系(四国地域)ストリップマップ説明書.構造図(8),地質調査所,63p.

 

中国地方の地質

中国地方の特徴的な地質を解説します。

石見銀山

石見銀山(いわみぎんざん)の由来

石見銀山は島根県大田市大森町の仙ノ山(せんのやま。標高537.8m)を中心とした銀銅鉱山で、大森銀山または佐摩(さま)銀山とも呼ばれました。室町時代末期の1526年に本格的な開発が始まり、以来およそ400年に渡り銀が採掘された日本最大の銀山であったといわれています。とくに16世紀から17世紀にかけて栄え、石見銀山を巡って戦国武将達が対立しました。17世紀には、多いときで年間銀産出量67.5トン、全世界の産出量の約1割を占めていましたが、その後銀産出量は減少していき、地震や水害等の被害によりあえなく閉山してしまいました。

現在は閉山していますが、「東西文明交流に影響を与え、自然と調和した文化的景観を形作っている、世界に類を見ない鉱山である」として、2007年7月にUNESCOの世界遺産に認定されました。石見銀山の特徴である「山を崩したり森林を伐採したりせず、狭い坑道を掘り進んで採掘するという、環境に配慮した生産方式」が「21世紀が必要としている環境への配慮」として非常に高く評価されたためです。

石見銀山(龍源寺間歩)入り口写真

石見銀山(龍源寺間歩)の坑道写真

《石見銀山(龍源寺間歩)》

石見銀山の位置の図
《石見銀山の位置》

石見銀山の地質と鉱床

石見銀山の周辺には大江高山火山群の噴出物が広がり、その下位には都野津層群が分布しています。都野津層群は鮮新世末から更新世に形成された地層で、西側に広く断続的に分布し、赤い色が特徴の石州瓦の陶土にも使われています。また、都野津層の下層には、中新統の火山岩と火砕岩類、堆積岩類が分布しています。

この火山岩と火砕岩類は、日本海形成期にその海底で生じた火山活動によって形成され、グリーンタフ層に属します。この地層は金属・非金属資源を富む地層で、周辺には石見鉱山、松代鉱山などの黒鉱鉱床が存在しています。

石見銀山付近には、第四世紀更新世(200万年前から70万年前)に活動した火山群が分布しています。これらの火山群は主にデイサイト質の溶岩ドームや火砕丘で形成されており、火山活動の末、石見銀山を生み出しました。

石見銀山の銀鉱床は、大江高山火山群の火山活動を引き起こしたマグマから発生した熱水によって約100万年前にできた鉱床です。石見銀山の鉱床は2つのタイプの鉱床、すなわち、鉱脈鉱床である永久(えいきゅう)鉱床と鉱染鉱床である福石(ふくいし)鉱床からなります。銀を多産したのは、地表近くに分布する福石鉱床であり、母岩となる岩石自体に鉱物を溶かし込んだ熱水が染み込んで鉱石ができたものです。福石鉱床の主な銀鉱物は、輝銀鉱、自然銀などの比較的単純な銀化合物です。また、岩石が比較的柔らかく、掘りやすいといった特徴があり、16世紀における銀の量産に一役買いました。

一方、永久鉱床はマグマ中の熱水の温度が下がることによって結晶化し、脈状に鉱物が生成したものです。地表から地下に分布し、銀を含んだ黄銅鉱・黄鉄鉱・方鉛鉱などを産出しました。永久鉱床の主な銀鉱物は、輝銀鉱、自然銀の他に、銅などの元素との複雑な化合物です。銅を主体として銀を伴う岩石であり、福石鉱床が少なくなるに連れ、次第に永久鉱床に着手されるようになりました。

銀鉱床ができるまでの解説図
《銀鉱床ができるまで》

参考
しまね観光ナビ
http://www.kankou.pref.shimane.jp/mag/07/07/ginzan_main_spot.html
石見銀山
http://www.iwamigin.jp/

「株式会社エイトコンサルタント 大川博史」

花崗岩の風化

花崗岩は通称「みかげ石」と呼ばれており、粒子の大きさが数mm程度の石英、長石、雲母などの鉱物からなる岩石です。できた時代はいろいろですが、中国地方に広く分布しています。石垣や敷石、墓石などに古くから利用されており、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。また、花崗岩が風化すると「まさ土」と呼ばれる白っぽくてザラザラした土になります。これも園芸などで広く使われています。このように、花崗岩は人間と関わりの深い岩石なのです。ところが、花崗岩からまさ土への風化過程は他の岩石に比べて複雑で、その機構も完全には解明されていません。

花崗岩は一般に、節理と呼ばれる縦や横の亀裂が発達しています。その亀裂に沿って水や空気が進入すると、長石、雲母などが粘土鉱物へと変化して「まさ土」化するのです。亀裂間隔が1m以上の地域では、「コアストーン」と呼ばれる未風化礫(大きいときは直径数mにも達する)がゴロゴロする特異な地形を形成します。また、亀裂間隔が数cmの亀裂密集帯では、水が岩盤全体に浸透するため風化が進行し、地表から100m以上の深さまで「まさ土」からなる「深層風化帯」を形成します。

風化した花崗岩は掘削がしやすい反面、災害の危険性も併せ持っています。まさ土化が進んだ斜面では崖崩れや土石流などの土砂災害がしばしば発生します。また、コアストーンが山腹斜面に点在する地域では落石の危険性があります。さらに、岩自体は非常に硬質でも、亀裂や節理に囲まれた岩塊が崩壊やすべりを起こすこともあります。

このように、花崗岩は風化形態により様々な表情を見せます。我々は、昔の人と同じように花崗岩を開発するだけでなく、上手に付き合っていく必要があります。

深層風化状況(20m以上)
深層風化状況の写真

まさ土の近景(手で簡単に崩せる程度)
まさ土の近景写真

コアストーン(大きいものは径2m)
コアストーンの写真

節理が発達した硬質な花崗岩写真節理が発達した硬質な花崗岩。1m程度の岩塊が節理沿いに抜け落ちている。

「復建調査設計株式会社 小笠原 洋(おがさはら ひろし)」

大山火山灰

大山火山(1729m)は鳥取県の西部に位置し、東西約35km、南北約30kmの第四紀複成火山(休止期を挟んで噴火活動が繰り返された結果生じた火山のこと)です。約100万年ほど前から噴火活動をはじめ、約2万年ほど前に最後の活動があり、それ以降の噴火活動を示すものは今のところ確認されてはいません。

大山火山灰は表-1に示すように大山の噴火によって順序よく降下堆積しており、大山周辺では数mもの厚さで分布しますが、県下東部では1mから数十cm位となっています。中でも約5万年前に噴出した大山倉吉軽石層(DKPと略称しています)は鳥取県下だけではなく、北陸、信州、北関東の各地で見出されており、地層の時代を決定するのに重要となる広域テフラ(ギリシア語で灰の意味で、火山灰のことを示す学術語)として広く知られています。

表-1 大山火山灰の層序
上部火山灰層
MsP
弥山軽石
Uh
上のホーキ火山灰層
Od
オドリ火山砂層
Sh
下のホーキ火山灰層
AT
姶良Tn(2.1~2.5万年前)
中部火山灰層
NT
偽ホーキ
DKP
大山倉吉軽石(4.5万年前)
HoF
堀火砕流
DSP
大山関金軽石
下部火山灰層
DNP
大山生竹軽石
DAP
大山荒田軽石
Aso-4
阿蘇-4(7万年前)
K3
木次軽石(8万年前)
NwF
名和火砕流(10万年前)
DMP
松江軽石(12万年前)
最下部火山灰層
HdP
樋谷軽石層(13~15万年前)等
大山凝灰角礫岩、蒜山原層

火山灰は普通の土に比べると、単位当たりの重さが軽く、水分が多く、土粒子が壊れやすいことを特徴としています。このため、土木工事においてはダンプトラックが走れなくなるほど問題の多い土とされています。しかし、その分布厚はあまり厚くないことからこれまでは問題とされることは少なかったのですが、大山の西側に建設された鳥取県フラワーパークの工事では、火山灰が厚く出現したためセメント等を加えて改良し、捨土をしない方法によって大山火山灰を利用しました。また、大山火山灰は水持ちがよいことから園芸用の土として利用されたり、梨園をはじめとする果樹栽培にも適しています。甲子園のグランドの黒土は、大山火山灰最上位層の黒ぼくという土が用いられていることもよく知られているところです。

大山の中部~下部火山灰層写真中央の黄色部がDKP、その下がDNP。両側の褐色部は最下部火山灰層。

大山の上部~中部火山灰層写真最上部は黒ぼく、クラック帯の下に横筋の見えるのがUh、その下がOd、その下の横筋のあるのがSh、その下がAT、そして黄色部のDKPとなる(ポールの下端部)

「株式会社ウェスコ 伊藤 徹」

鳥取砂丘

鳥取砂丘は、鳥取県の東部を北流する千代川河口を挟んで、東西15km、南北約1.5~2.0km、面積1800haにも達する海岸砂丘です。鳥取砂丘という名称は、起伏に富んだ地形や砂表面の風紋がみられるなどの雄大な景観が観光地として脚光を浴びるようになった1950年代後半に定着し、1955年に国の天然記念物に指定されました。

鳥取砂丘は広大な海岸砂丘であることと、海岸線に斜交する高さ40mに達する砂丘列が3列あり、その背後はスリバチと呼ばれる急な斜面が形成されていることが特徴です。

鳥取砂丘は大山火山灰層(大山倉吉軽石層があります)を挟んで上下の2層があり、上位は新砂丘、下位は古砂丘と呼ばれており、古砂丘は新砂丘に比べると褐色~黄色を帯びた色を呈しています。新砂丘は黒砂層と呼ばれる砂丘活動の休止期を挟んで新砂丘Ⅰ、新砂丘Ⅱと区分されており、全体に白っぽい色を呈しています。

砂丘の形成される前は、これらの地区は海岸線の入りくんだ内湾でしたが、湾口に砂州が形成され、さらに古砂丘、大山火山灰が堆積し、その後の海退期に新砂丘が発達しました。

砂丘砂は、石英と呼ばれる鉱物を中心としており、その平均粒径は、0.2~0.3㎜と小さく、かつ、ほぼ均等な粒子の大きさで構成されています。この粒子の大きさは風速が5m/s位になると活発に移動し、地表面がさざ波模様となる風紋を形成しやすい一因となっています。

近年では、飛砂防止のための植林により砂丘砂の移動が少なくなったために草地化した部分が多くなり、本来の砂丘の姿を取り戻すために植林の抜木、植物撤去工事が行なわれています。

また、砂丘地内には全国共同利用施設の鳥取大学の乾燥地研究センターがあり、乾燥地における農業的利用や諸般の研究が進められています。

鳥取砂丘の写真。砂丘の起伏と風紋起伏のある砂丘の姿。右手下に風紋が作られている。
(撮影:都宮和久)

鳥取大学乾燥地研究センターの写真鳥取大学乾燥地研究センター。実験施設のアリドドーム。
(撮影:都宮和久)

図-1 鳥取砂丘位置図
鳥取砂丘位置図

図-2 鳥取砂丘とその付近
鳥取砂丘とその付近の地形図

図-3 鳥取砂丘断面図
鳥取砂丘断面図

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

秋吉台カルスト台地

西の京、山口県中央部に日本最大のカルスト台地、秋吉台があります。四季折々に雄大な景観が訪れる人々の目を楽しませてくれていることは、ご存じの通りです。

カルスト地形とは、ヨーロッバの地中海に面した国 ユーゴスラビアの北西部に石灰岩の山があるカルスト地方にちなんでいます。カルスト地形は石灰岩によってできているため、石灰岩地特有の地形をしています。

石灰岩はおもに炭酸カルシウムという成分からできています。石灰岩台地に降る雨は空気中の二酸化炭素を含み込んで弱酸性の水となります。さらに土の中を通る時に、多くの二酸化炭素を含みます。この水が、炭酸カリシウムでできている石灰岩に触れると化学反応をおこし、石灰岩を少しずつ溶かします。地表を流れた水は、石灰岩の割れ目から地下にしみ込み、溶食作用が繰り返され、永い間に凹地(ドリーネ、ウバーレ、ポリエ)や鍾乳洞を形成します。このように、石灰岩が溶けてできた凸凹のある地形や地下の洞窟をまとめて、カルスト地形と呼ばれています。

秋吉台の石灰岩は、今から3億5千年前、古生代;石炭紀から二畳紀の時代に海底に堆積したフズリナ、サンゴ、石灰藻などの生物の遺骸によってできた珊瑚礁が隆起したものだそうです。

秋吉台の石灰岩地層は、数百メートルの厚さにおよんでいます。地殻変動などでできた割れ目は溶かされ、少しずつ大きくなり、やがて水路となります。壁や天井が崩れ、さらに大きな洞窟へと発達していきます。また鍾乳石や石筍などの二次生成物が形成され鍾乳洞が生まれます。秋吉台の地下には、大小あわせて約420の洞窟が発見されています。その中の最大規模の洞窟に秋芳洞(しゅうほうどう)があります。

秋芳洞は、30万年の歳月をかけて造られたと言われています全長約10kmのうち観光ルートは、1kmほどで、特別天然記念物に指定されています。

秋吉台カルスト台地の風景
羊の群と呼ばれる石灰岩柱(カレンフェレルト)と凹地(ドリーネ)
秋吉台カルスト台地の風景写真。石灰岩柱とドリーネ

「日本地研株式会社 岩本 義則」

災害・環境と地質

災害や環境と地質および地質調査の関係を解説します。

組織地形

岩石・地質の性質、特に浸食に対する抵抗性の違いから形成される特徴的な地形があります。これを組織地形といいます。組織地形をつくるような浸食の違いを差別浸食といいます。
典型的な組織地形には、図-1に示すようなホグバック、ケスタ、メサ、ビュートといわれるものがあります。

浸食に対する抵抗性の違いがつくる組織地形の図
図-1 浸食に対する抵抗性の違いがつくる組織地形

急傾斜した浸食されにくい地層が突出して山稜となっているものをホグバック地形といいます。
地質の浸食性の違いや、層理面の方向による安定勾配の違いによって形成される地形勾配の非対称山稜をケスタ地形といいます。
浸食されにくい地層がほぼ水平にテーブル状に形成されたものをメサ地形、小さく孤立したものをビュート地形、これらの最上部を構成する浸食されにくい岩石をキャップロックといいます。
ケスタとメサ地形の代表的な例を写真-1、2に示します。

ケスタ地形(非対称地形)(鳥取市河原町)の写真
写真-1 ケスタ地形
(非対称地形)(鳥取市河原町)
左側の緩斜面が流れ盤構造で
第三紀層の地すべり地帯。

メサ地形(霊石山:鳥取市河原町、用瀬町)
写真-2 メサ地形
(霊石山:鳥取市河原町、用瀬町)
山頂部がテーブル状の
平坦面を呈する典型的なメサ地形。
地すべり地帯です。

次に、浸食抵抗性・地質の硬軟により形成される地形断面を図-2に、事例を写真-3に示します。

地質の硬軟により形成された地形断面の解説図
図-2 地質の硬軟により形成された地形断面

花崗岩の上にのる玄武岩(キャップロック)の写真
写真-3 花崗岩の上にのる玄武岩
(キャップロック)(米子市近郊)
地層境界の脆弱部で
差別浸食が進行しています。

「サンイン技術コンサルタント株式会社 谷口 洋二」

自然由来の重金属等・酸性水の問題

近年、人為的な行為に伴って引き起こされる自然由来の重金属や酸性水等による環境汚染が、クローズアップされつつあります。

自然由来の重金属等のうち、有害なため基準が設定されているものを以下の表に示します。

自然由来の有害重金属の種類と基準の表

では、自然由来の重金属等・酸性水問題とは、どのようなものなのでしょうか?

なにが問題?
もともと自然の岩盤や地層に含まれている天然の有害重金属等や酸性水が、人為的な原因(土木工事等)によって環境に出てくること。
どんなときに発生する問題か?
土木工事などにより、岩盤が細片化され、大気や水に触れるようになったとき、重金属等や酸性水の溶出が発生しやすくなる(下図参照)。例えば、トンネル工事、切土工事により発生したズリを盛土するときが問題となる。酸性水は、天然の黄鉄鉱等が酸化することで発生する。
どのような被害が出るのか?
重金属等は、一時にあまり多くの量を人体に取り込むと、健康被害を生じる。 酸性水は環境や構造物を破壊し(下写真参照)、また一部の重金属等を溶かし出す。

土木工事に伴う自然由来汚染のメカニズム概念図
左写真:酸性水を発生させる黄鉄鉱。右写真:酸性水による法面のラスと鉄筋の腐食事例

それでは、どういったところでこのような問題が多いのでしょうか? 資料や過去の経験などから、特に自然由来の重金属リスクが高い地質条件としては、以下の表に示すようなものがあげられます。

自然由来の重金属リスクが高い地質条件
地質条件 備考
鉱山・鉱脈・鉱化帯 多くは古い鉱山跡やその周辺のズリ山など
海成堆積物 海水は、一部の重金属等を環境基準値以上含んでいる(ふっ素1.5mg/L、ほう素4.6mg/L)。そのため海成堆積物には、海水起源の重金属等を多く含む傾向がある。また、黄鉄鉱も多い。
貫入岩脈・熱水脈・変質帯 岩脈や熱水脈に沿って、重金属等や黄鉄鉱が濃集するケースがある。
温泉・鉱泉 一部の温泉は、天然ミネラル分が多すぎて、飲料水の基準を超過するものがある。

そもそも重金属等は自然界に普通に存在するもので、人の体にとっても必須元素とされているものもあります。「良薬口に苦し」という諺があるように、重金属等はその摂取の程度によって、毒にもなれば薬にもなります。例えば、温泉の成分の中にはこうした重金属等がとけ込んでいるものもありますが、人はそれをうまく利用して健康維持に利用しています。一方で、それをとりすぎることにより、体調不良や病気につながることもあります。

このように、自然由来の重金属等が原因で人の健康被害を招く場合もあり、その場合はリスクや状況に応じて対策を検討する必要があります。

地震予知の現状

人類は地震による被害を軽減するために、揺れに強い建物を造る努力を続け、現在では大地震に耐えられるような建物を造ることができるまでになりました。ところが近年、地震の発生が昔と比べて多くなったと言われるようになり、これに伴って地震による被害の報告もよく耳にするようになりました。また、ひとたび阪神・淡路大震災のようないわゆる大地震が発生すると、一瞬で多くの尊い人命と貴重な財産が失われてしまいます。このような理由から、地震予知の実現に対する人々の期待には大変高いものがあります。しかしながら、それは極めて困難な課題であり、結論から言うと残念ながら現在の技術レベルは実用的段階には程遠いと言わざるを得ない状況にあります。

人類は地震の発生時期を予測して被害を軽減しようと、数千年前から地震予知を試みてきました。ところが現在でも、一般には地震の発生を事前に正確に予知することは困難とされています。端的に言って「何月何日の何時に、どこでどれだけの規模の地震が発生する」といった範囲・形式での予知を、科学的な手段による根拠を提示して行うことは、少なくとも現時点では不可能です。

この地震予知がなかなか進展しない理由の一つとして、そもそも対象とする大地震の発生頻度が少ない上に、我々の経験蓄積速度が極めて遅いことが挙げられます。すなわち、多くの観察や実験から経験を蓄積し、その中から法則性を見出し、その法則に基づいて将来を予測するというのが科学の常道です。ところが、地震計による観測が開始されてからやっと100年、本格的な調査観測がなされるようになってからはまだ30年程度しか経っていません。これらの期間は大地震の1サイクルにも満たない時間であり、大地震の歪みが蓄積された数千年の時間に比べると30年は一瞬であると言えます。このように、大地震の発生前後に震源域の近傍でどのような現象が生じるのかについて、我々の知識はあまりに乏しいのが現状です。

しかしながら、それでも東海地震だけは何とか予知したいとの願望から、特別にぶっつけ本番の予知体制が執られています。現在、静岡県周辺では重点的に地震や地殻変動の観測が実施されており、これにより東海地震は世界で初めて偶然ではなく、狙って予知することができるのではないかと期待されています。

ところで、地震学者や行政が公式に認め取り組んでいるのはほとんどが地学的な地震予知です。また、一部の研究者は従来の地学的手法とは異なる観測方法を用いた地震予知を研究しています。これらの他に、地震前に広く見られると言われている種々の前兆現象を予知に用いる研究をする人もいますが、地震学者からはほとんど認められていないのが現状です。例えば、地震が発生する前に現れるとされる気象現象や生物の行動の変化などを前兆現象として捉え、地震を予知しようとする試みがあります。ただし、ほとんどが未だその妥当性やメカニズムに関して一般的に論ずることのできる段階にはありません。特に地震雲については、岩盤の破壊により電磁波が生じて雲を作るとされていますが、雲の形と地震発生との関係が全く不明で、また雲のほとんどが気象状況により発生のメカニズムが証明できるものであり、否定的見解が多数派を占めています。

現時点では地震予知の方法に決まった公式があるわけではなく、ある地域では有効な観測手法も他の地域では役に立たない場合もあります。このため、地震観測と地震変動観測を大きな2本柱とし、関連のありそうなデータはできる限り多く集めて総合的な判断を行うというのが、現在の地震予知の基本的な考え方となっています。

(東邦地下工機株式会社 山口営業所 田上(たうえ)貴祐)

ハザードマップ(Hazard Map)

洪水・土砂災害・津波・高潮などの自然災害による被害を予測し、万一の場合には円滑で迅速な避難ができるようにするために、避難に役立つ情報・・・例えば、災害想定区域や避難場所、避難経路や避難情報の伝達経路などを、住民にわかりやすく地図上に示したものです。災害危険箇所分布図とも言います。

代表的なものとしては土砂災害ハザードマップがあります。これは、大雨や地震などにより発生するがけ崩れなど、土砂災害の恐れがある箇所を地図上に表示したものです。

他には、洪水ハザードマップ、地震ハザードマップ、富士山ハザードマップ、火山ハザードマップなどがあります。

土砂災害危険区域マップ

危険箇所の要件

土石流危険渓流
土石流が発生する恐れのある渓流で、被害が予想される区域内に人家が5戸以上ある場合。
急傾斜地崩壊危険箇所
がけの勾配が30度以上、高さが5m以上で被害が予想される区域内に50m未満で近接している人家が5戸以上ある地区。
山腹崩壊危険地区
公用もしくは公共用施設、または2戸以上の人家に、直接被害を与える山腹崩壊が発生する恐れのある地区。

いつ災害が発生しても落ち着いて対応ができるように、平常時から備えておけば安心です。そのためには、ハザードマップを活用して日頃から家庭や地域で災害が発生した場合の避難方法について話し合っておくことがとても大切です。

災害は忘れた頃にやって来る

でも

備え在れば憂い無し

  1. 自分の住んでいる地域にはどのような災害が発生する可能性があるのかを知っておきましょう。
  2. 最寄の避難場所を確認しておきましょう。
  3. 避難場所に行くのにはどのような経路があるか調べておきましょう。

(内海建設コンサルタント株式会社 勝原 建夫)

液状化

液状化とは、地盤が地震などの急速な繰り返し載荷を受けたときに、あたかも液体のようになってしまい、支持力を失う現象のことです。従来は、飽和している緩い砂地盤で発生しやすいといわれてきましたが、1995年の兵庫県南部地震などでは、礫質土あるいは細粒分の多い土での液状化も報告されています。

その発生メカニズムは、次のように考えられています。

図 液状化のメカニズム

平常時
液状化のメカニズム。平常時の地盤の状態模式図
地震時
液状化のメカニズム。地震発生中の地盤の模式図
地震後
液状化のメカニズム。地震後の地盤の模式図
  1. 地盤が地震動を受けると、土粒子はより安定化するために体積収縮しようとします。
  2. ところが、地震時のように短時間の急速載荷の場合、砂地盤といえども土粒子間の排水が許されない状態となり、地盤の体積は一定に保たれたままとなります。そのため、体積収縮しようとする土粒子の移動は、間隙水圧の上昇に転化されます。
  3. この間隙水圧の上昇によって、土粒子間の有効応力が減少し、地盤のせん断抵抗が失われます。地震時に見られる噴砂や噴水などの現象は、液状化に起因するものと考えられています。

このような液状化現象は、構造物に多大な被害をもたらすため、事前に地盤状況を十分確認し、それに対応した設計が必要です。

兵庫県南部地震の時に六甲アイランドで見られた噴砂跡の写真

 

兵庫県南部地震(1995年1月)時に六甲アイランドで見られた噴砂跡

 

「復建調査設計株式会社 藤本 睦」

活断層と地震

1995年の阪神淡路大震災以降、地震断層や活断層という言葉を耳にすることが多くなりました。断層とは、地殻内部に加わる応力によってひずみが大きくなって割れ目を生じ、地殻がずれ動いて生じたものです。この断層形成や活動(断層活動)によって地震が生じます。地震によってずれ動いた割れ目が地表面に現れたものを地震断層といいます。

活断層とは、ごく最近の地質時代や歴史時代に繰り返し活動した断層であって、将来も活動することが予想される断層のことをいいます。ごく最近の地質時代とは、一般には第四紀(180万年前から現在まで)とされていますが、第四紀の前半で活動を停止した断層もあるために例えば約12万年前以降などもっと短い期間に限定する場合もあります。

「[新編]日本の活断層」には、2,000以上の活断層が示されていますが、確実度の高いものからI、II、III の3ランクに区分され、活動度はある長い期間での平均変位速度の大きさによってA、B、Cの3ランクに区分されています。さらには、活断層の長さから地震規模を推定し、活断層の概略の危険度評価が行われます。

活断層はすぐに地震を引き起こすものではありませんが、活断層が過去にどのような活動を起こしたかを詳細に調べることが、危険度評価をより正確なものとすることができます。このためには断層を横切るトレンチ掘削法により、断層運動の痕跡を調査することが有効な方法とされています。

トレンチ掘削の例
トレンチ掘削例。調査中の現場写真

トレンチで確認された活断層の例
トレンチで確認された活断層の写真

「株式会社ウェスコ 伊藤 徹」

土砂災害への備え~いざという時のための心構え

いざという時のための心構え
恐ろしい土砂災害を防止するために、現在さまざまな対策が行われていますが、それだけでは十分に災害を防ぐことができません。

被害を最小限に抑えるためには

  • 気象情報などに注意し、いざという場合に備えましょう。
  • お年寄りや子供がいる場合には、特に早めの避難を心掛けましょう。

雨に注意していますか?

雨の降り方に注意しておきましょう
土砂災害の多くは雨が原因で起こります。長雨や大雨で危険だと思ったら、早めに避難しましょう。1時間に20ミリ以上、または降り始めてから100ミリ以上の降雨量になったら十分な注意が必要です。

避難場所は決まっていますか?

いざという時の避難場所を決めておきましょう
普段から家族全員で避難場所や避難する道順を決めておきましょう。災害が起きる時、家族全員がいっしょにいるとは限りません。そんな時もあらかじめ避難場所を決めておけば安心です。

逃げ方を知っていますか?

土石流などからの逃げ方を学んでおきましょう
土石流は速度が早いため、流れを背にして逃げたのでは追いつかれてしまいます。土石の流れる方向に対して直角に逃げるようにしましょう。

非常持ち出し袋を常備していますか?

非常持ち出し袋を常備しておきましょう
食料、飲料水、懐中電灯、ラジオ、ローソク、マッチ、貴重品、医薬品など非常持ち出し袋を常備しておきましょう。

危険信号を発見したら
すぐに市町村役場、都道府県事務所連絡をしましょう。

実際に災害が起こったら
すぐに110番、119番通報をしましょう。

「内海建設コンサルタント株式会社 勝原建夫」

土砂災害への備え~こんな前触れには御注意を

こんな前触れにはご注意を!
ふだんから、自分たちの住む地域の自然条件に関心をもっていることが大切です。

豪雨の時長雨の時洪水警報発表の時
は、土砂災害が発生する危険が高まります。

山崩れの危険信号

がけ崩れ

がけ崩れのイメージ

  • 斜面から水がふき出す。
  • 小石がパラパラ落ちてくる。
  • がけに亀裂が入る。
  • がけから流れる水が濁る。

土石流

土石流のイメージ

  • 山鳴りや立木の裂ける音、石のぶつかりあう音が聞こえる
  • 川の流れが濁ったり、流木が混ざりはじめる。
  • 雨が降り続いているのに、川の水位が下がる。
  • 腐った土のにおいがする。

地すべり

地すべりのイメージ

  • 斜面から水が吹き出す。
  • 沢や井戸の水が濁る。
  • 地面にひび割れができる。

「内海建設コンサルタント株式会社 勝原建夫」

地すべり地形

地すべりは大規模な侵食現象の一つであり、一般に頭部付近には馬蹄形状の凹地形、末端付近は凸状の押し出し地形などが形成されます。地形図上では周辺部より緩斜面であったり、等高線の乱れなどから地すべり地として認識することができます。以下にいくつか例を紹介します。

地すべり事例写真。大きな滑落跡と、下方の緩斜面(泥岩分布)の地すべり。「写真1」正面の山腹斜面(安山岩)に大きな滑落跡がみられ、下方の緩斜面(泥岩分布)で地すべりを生じています。安山岩の山は地すべり地への地下水供給源となっており、これを助長する原因の一つとなっています。
このように地すべり地は地下水が多いことからしばしば水田として利用され、また土壌が撹拌されることから、おいしい米ができると言われています。

地すべり事例写真。岩盤地すべりと陥没帯。「写真2」山頂付近に地形のくびれがあり、土地が陥没したように見えます。岩盤地すべりではこのような陥没帯を形成することが多く、写真からは矢印方向への大規模な地すべりが予想されます。ちなみに日本の地すべりでは比高150mの山が真っ二つに割れ、斜面長700m、すべり面傾斜2~3度で滑動するといったものもあります。

地すべり事例写真。表層すべりの断面。「写真3」地すべり対策ではその断面図を作成し、様々な検討を行いますが、最も重要なのはすべり面形の決定です。
写真は規模の小さい表層すべりですが、本物の地すべり断面であり、珍しいものです。
これによれば中腹部に基岩面の変化点があり、これを境に上部と下部に細ブロック化し、地表面にその影響が表れているのが良く分かります。

「国土防災技術株式会社 瀬崎 茂」

地盤沈下

地盤沈下は、地表面の相対的な沈下現象のことを示しており、主たる原因としては、地球内部の運動いわゆる地殻変動によって生じるものと、人工的又は自然的原因によって生じるものとがあります。私たちの日常生活で話題となる地盤沈下の多くは、ほとんどが海岸近くの沖積平野に集中しています。

地殻変動による地表面の変状には、地震の前後や火山活動によって生ずるものがあります。最近では1995年の兵庫県南部地震や1999年の台湾・集集地震での大規模な地盤の隆起や沈下が記憶に新しいことと思います。

沖積平野地域における地盤沈下は、地盤中の液体(多くは地下水)を抽出(揚水)することによって生じる圧密沈下によるものや、盛土などの荷重を新たにのせることによって生じる圧密沈下によるものが主体と考えられます。

圧密とは、水をたっぷり含んだスポンジを両手で抑えると、水がしぼり出されてその分だけスポンジが収縮するような現象のことです。つまり、水が強制的に排除されたり、排除するような力(荷重)が加わると、スポンジのように柔らかい地盤で構成されている地域では圧密により地盤沈下が生じます。

私達の地盤を構成している土は、土粒子とその間の間隙とで構成されており、砂よりも粘土のほうの間隙がはるかに大きく、しかもその間隙は水で満たされています。さらに、地盤の生成された時代が新しいほど間隙はより大きくなります。このように、地盤のつくられた時代が新しく(埋立地や造成盛土を含む)、かつ、その土が粘土に近く、間隙が水で満たされているような地盤は圧密沈下の発生しやすい状況にあります。

地盤沈下が生じると、地表面の構造物も一緒に沈下していくために水路が流れにくくなったり、構造物が傾いたりします。このため構造物が沈まないように長い杭で支えとやると、逆に建物が抜け上った状態となります。このように、地盤沈下は周辺地表面との沈下量に差が生じるため、私達の生活環境に影響を及ぼすこととなります。なお、都市部での過剰な地下水汲み上げにより発生する広域沈下と呼ばれている現象は全国の平野部で多く見られましたが、地下水汲み上げ量の規制を強化したことによってかなり沈静化しています。

建物(杭基礎)と外構との不同沈下
(撮影:都宮和久)
建物(杭基礎)と外構との不同沈下の事例写真

軟弱地盤上の道路の変形(凹凸)
(撮影:都宮和久)
軟弱地盤上の道路の変形(凹凸)事例写真

建物と外周構造物との不同沈下の事例写真建物と外周構造物との不同沈下
沈下により階段部分にブロックが継ぎ足しされ、新しい階段とされている。右側の斜路部擁壁には約30cmの沈下が生じている。

橋梁との取り付け部の沈下の事例写真橋梁との取り付け部の沈下
堤防部分が沈下しコンクリート壁や護岸ブロックに亀裂や変状が発生している。

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

地質汚染

人間が環境中に放出している廃棄物や廃液には有害物質が含まれています。

それらの大部分は最終的に地質圏(地下)に浸透し、地下水を汚染します(地下水汚染)。また地層粒子を汚染し、地層状の有害人工地層として固定されます(地層汚染)。

さらに、汚染地層や汚染地下水からは有害ガスが発生することもあり、地下空気を汚染させます(地下空気汚染)。

地層汚染(土壌汚染を含む)、地下水汚染、地下空気汚染をまとめて、地質汚染といいます。これら3つの汚染は、互いに関連しながら進行していきます。

汚染現場周辺の正確な地質構造・水理地質構造を調べ、汚染物質の浸透と拡散など汚染機構とその過程を明らかにして対策を講じる必要があります。

地質汚染の調査・対策の手順は、その現場と社会の実状にあわせて、いかに効率よく地層汚染や地下水汚染、地下空気汚染をなくすかが基本となります。

調査・対策現場では、汚染被害の事前調査と対策→汚染機構解明→診断・予測と対策の決定→汚染物質除去対策→監視(モニタリング)、の流れ図に沿って行うのが合理的です。

地質汚染の原因を地質調査や各種の分析調査で明らかにし、その知見を地球環境の保全に生かしていくことは、ジオ・ドクターとしての重要な社会的役割の一つです。

地質汚染の概念図

地質汚染機構解明調査の手順

  1. 既存資料の収集解析+サイトマップの作成
  2. 地下空気汚染調査
  3. 地層汚染調査
  4. 地下水汚染調査
  5. 地質汚染機構の解明

地質汚染浄化の手順

  1. 地質汚染機構解明調査
  2. 汚染浄化のための精査
  3. 最適な場所と技法の選択
  4. 完全浄化

「第一コンテク株式会社 駒崎友晴」

深層崩壊

 深層崩壊とは山腹斜面の表層の堆積土砂層だけでなく、深部の基岩(岩盤)部分を含む深度の大きい斜面崩壊のことです。深層崩壊の発生は地下の地質構造(割れ目の方向など)や深層地下水が影響して生じると考えられています。また、降り始めからの雨量が数百mmという大きな降雨や大規模な地震により発生します。深層崩壊は降雨終了後数時間以上経過して発生することもあります。
 地すべりも基岩部分を含む土塊の移動現象ですが、地すべりは土塊の移動速度が遅いものが多いのに比べ、深層崩壊は崩壊土砂の動きが速く一瞬で広い範囲の山腹斜面が崩れてしまうこともあります。
 深層崩壊では崩壊土砂が数百万m3に及び、河道部ではその崩壊土砂で天然ダムを形成することもあります。河川の対岸で生じた深層崩壊で被災するなど表層だけが崩壊するケースよりも被害の及ぶ範囲が広いという特徴があります。
 近年では2008年の岩手・宮城内陸地震や2011年台風23号により紀伊半島で深層崩壊が発生しています。

深層崩壊斜面
図1 平成23年台風12号による深層崩壊斜面(奈良県五條市大塔町赤谷地区)

「株式会社エイト日本技術開発 海原荘一」

 

天然ダム

 数100mmを超える降雨や大規模な地震等では山腹斜面の深部の基岩部分を含む深層崩壊等により、多量の土砂が河川に堆積し流水をせき止めるものを天然ダムといいます。天然ダムは水位が上昇し、天端から越流を始めると決壊し、下流に大量の土砂と水が流れることがあります。流域面積(雨が集まる範囲の面積)が広い天然ダムでは数時間で決壊することもあります。
 越流以外にも漏水で堤体を形成する土砂が流れ出すこと(パイピング)による決壊や天然ダムの堤体内水位が上昇して堤体がすべりを生じることにより崩れるケースもあります。

湛水池と深層崩壊斜面、天然ダム堤体の写真
図1 平成23年台風12号による天然ダムと深層崩壊斜面(奈良県十津川村栗平地区)

「株式会社エイト日本技術開発 海原荘一」

 

地質調査手法いろいろ

いろいろな地質調査手法について解説します。

C.N.S元素分析

原理

C.N.S元素分析装置は、分析対象試料が含有する炭素(C)・窒素(N)・硫黄(S)を定量分析する装置です。元素分析の仕組みは、燃焼法を用いて元素をガス化(CO2・N2およびSO2)させ、カラムを通して段階的に分離させ、検出器で定量化します。各元素の値は、重量パーセントとして得ることができます。原理の一例として、パーキンエルマ社製の分析装置の構成を図-1に示します。

図1 2400II元素分析装置の構成
図1 2400II元素分析装置の構成

分析目的および結果の利用方法

C.N.S元素分析の目的やその利用方法としては以下のような例が挙げられます。

  • 堆積物の堆積環境の推測が可能(淡水成層or海成層、還元的or酸化的など)。
  • CNS成分量の深度方向変化状況を利用し、地層の客観的・定量的対比が可能。
  • CNS成分量変化と地盤の工学的性質の検討が可能。
  • pH=3以下を示すような酸性水を発生させる地盤材料の把握が可能。

結果の利用の例

酸性水発生岩検出の利用例
黄鉄鉱は熱水変質を受けた岩や海成起源の堆積岩に含有される鉱物であるが、その黄鉄鉱は地下の還元的環境から酸化的環境にもたらされる(例えば、トンネル掘削岩など)と、硫酸を発生させます。黄鉄鉱を含有するトンネル掘削岩を盛土材等に適用した場合、その盛土から酸性水が発生するとともに、岩石が保有していた有害重金属の溶出を促進させる場合があります。 図-2は、縦軸が過酸化水素を用いて試料中の黄鉄鉱を強制的に酸化させたときのpH、横軸はCNS元素分析で得られたTS(硫黄含有量)を示しています。このように、CNS元素分析を実施することで、将来的にpH=4以下の酸性水を発生させる可能性の高い地盤材料を、事前に把握することが可能となります。

図-2 硫黄含有量と過酸化水素水pH試験結果

堆積物の堆積環境推定の利用例
既存研究によりTOC(有機炭素量)とTS(硫黄含有量)の関係から、堆積物を淡水成層・海水成層・汽水成層と区分できることがわかっています。これを利用すると図-3に示すように、各地の沖積粘性土の堆積環境が推定でき、地盤の特性把握に役立てることができます。

図-3 堆積環境推定図
図-3 堆積環境推定図

地盤の工学的性質の検討例
軟弱地盤の工学的性質とその地盤の堆積環境は密接に関係していると考えられています。そこで、C.N.S元素量と地盤の主に物理特性との関係を検討した例を図-4に示します。これらより、C.N.S元素分析より、地盤の工学的性質の推測が可能であることが示唆されます。

図-4 TOCと液性限界・塑性指数・強度増加率の関係図
図-4 TOCと液性限界・塑性指数・強度増加率の関係図

なお、C.N.S分析の地盤への適用に関しては、最近の地盤調査・試験法と設計・施工への適用に関するシンポジウム発表論文集(社団法人地盤工学会、地盤調査・試験法の小型・高精度化に関する研究委員会)においても、紹介されています。

((株)エイト日本技術開発 磯野陽子)

鉱物のX線回折分析

原理

X線回折分析は、一般に堆積物に含有しているあるいは基盤岩を構成している鉱物を同定するのに利用されます。原理は、鉱物の結晶内部の原子配列周期とX線の波長とがほぼ同程度であることを利用します。X線が結晶に当ればBraggの条件(図1)で回折が起こり、この現象により鉱物結晶の3次元的な原子配列を把握することができます。結晶の原子配列は鉱物ごとに決まっているので、これより分析試料が保有している鉱物の同定が可能となります。

結果の一例

定方位法で得られた回折図の一例を図2に示します。分析の結果得られた図を回折図といいます。回折図中でとび出た線を回折線といって、その回折線の位置(2θCuK α=角度)から、鉱物の同定を行います。この結果分析した試料には、セリサイト・カオリン鉱物・石英・緑泥石・アルミニウム型バーミキュライトが、含有していることが明らかになりました。この含有鉱物種から分析した試料の、風化・変質状態などの把握を行います。

分析目的および結果の利用方法

X線回折分析の目的やその利用方法としては以下のような例が挙げられます。

  • 岩石種類を判定でき基盤岩の一般的な物性値の把握が可能。
  • 基盤岩の風化や変質程度が把握でき、基盤岩の強度低下の有無や、土木地質的問題点の把握が可能。
  • 地すべりや崩壊の調査では、含有粘土鉱物の種類の把握などから、すべり面や弱線の抽出が可能。
  • トンネル調査では、膨潤性粘土鉱物の有無やその含有量の推測が可能。

分析方法

X線回折分析には定方位法と不定方位法の2つの方法があります。その特徴を以下に整理します。

用途に応じての、使いわけが必要です。

定方位法
鉱物が一定の方向に揃うように試料を水簸し、ガラス板の上などに乾燥させて分析する方法。薬品・加熱処理をほどこすことで、含有する鉱物種の同定を行うことができる定性分析。
不定方位法
試料を粉末にして専用のフォルダにつめて分析する方法。薬品・加熱処理をほどこすことができないので定性分析は不可能であるが、回折線の長さや半価幅などから、鉱物の定量検討が可能。

図1 X線回折の原理
図1 X線回折の原理

図2 X線回折による鉱物鑑定の一例
図2 X線回折による鉱物鑑定の一例。解析データ

((株)エイト日本技術開発 磯野陽子)

物理探査

地盤は、一般的に小石・砂・粘土・水などが多様に混在する土や各種の岩石により複雑に構成されています。光以外の様々な物理現象を仲介として、間接的に地盤の中の物理的性質と状態を地表から調査する手法を「物理探査」といいます。

物理探査法は、対象とする物理量によって「弾性波探査」「電気探査」「電磁探査」「磁気探査」「重力探査」「放射能探査」「地温探査」等に区分されます。下図に電気探査比抵抗法及び弾性波探査屈折法のうち、トモグラフィー的解析を行う高密度電気探査及び高精度弾性波探査屈折法の解析結果例を示します。

地盤調査における物理探査方法の一覧
  方法 物理現象 測定項目 主な利用
弾性波探査 屈折法 弾性実体波 弾性波速度 地盤構成・物性
反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成
音波探査 音波 反射係数 海底地盤構成
常時微動測定 地盤振動 卓越周期 地盤特性
表面波探査 弾性表面波 伝播速度 浅部地盤特性・物性
浅層反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成
弾性波トモグラフィー 弾性実体波 弾性波速度 詳細地盤構成・物性
電気探査 比抵抗法 電流・電位差 見掛け比抵抗 地盤構成・地下水
IP法 電気分極 周波数効果・充電率 熱水変質帯判別
電位法 自然電位 電位差 変質帯判別
比抵抗トモグラフィー 電流・電位差 見掛け比抵抗 詳細地盤構成
電磁探査 MT法 電流・電位 見掛け比抵抗 深部地盤構成
地下レーダー 電磁波 反射係数 深部地盤構成
電磁波トモグラフィー 電磁波 電磁波速度・減衰 詳細地盤構成
その他 磁気探査 静磁気・地磁気 磁気異常 磁性物質分布
重力探査 重力 重力異常 地質構造
放射線探査 放射能 放射線強さ 断層
地温探査 地中熱 地中温度 水みち
リモートセンシング 電磁波 スペクトル 地質構造

解析結果例 高密度電気探査
解析結果例 高密度電気探査

解析結果例 高精度弾性波探査屈折法
解析結果例 高精度弾性波探査屈折法

「宇部興産コンサルタント株式会社 森岡 研三」

N値

土や地盤の硬さを調べるときに、地中に鉄筋のような硬いものを打ち込むと、やわらかい地盤では簡単に入りますが、硬い地盤ではなかなか入りません。このように物体を地盤中に押し込んだり、引き抜いたり、回転させたりするときの抵抗値によって地盤の硬軟状況を調べる方法をサウンディングといいます。

N値は標準貫入試験といわれる代表的なサウンディングによって求めた値で、地盤の硬軟や締り具合を示します。標準貫入試験は、質量63.5kgのハンマーを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させる試験です。このときの貫入に要する打撃回数(50回を限度とします)をN値といい、N=2、N=30のように表示します。

N値は土の工学的性質の概略値として知ることができるため土木・建築の分野では広く応用されており、構造物設計のための地盤の支持力や強度の評価に用いられています。たとえば、N=30以上の砂礫地盤であれば橋を支えることができると評価します。

貫入試験状況 中央がハンマー
貫入試験状況の写真。中央がハンマー。

貫入試験サンプラー
(二つ割りに開いた 状況-右端が先端)
貫入試験サンプラーを二つ割りに開いた写真。

「株式会社ウェスコ 伊藤 徹」

住宅基礎地盤調査のためのサウンディング

サウンディングは地盤調査法の一種で、やじり等のような抵抗体を地盤中にねじ込む、叩き込む、押し込むなどの方法で実際に地盤を破壊させ、その時に必要な力を測定して地盤の強弱を明らかにすることです。サウンディングには抵抗体の形や地盤の破壊方法によって表に示す多くの方法があります。

戸建住宅地での地盤調査には、費用も安く、建物荷重に必要な地盤の支持力を簡単に求めることのできる、スウェーデン式サウンディング試験が広く用いられています。特に住宅性能保証の点からも、敷地内で数点以上を実施して地盤を評価し、それに応じた建物の基礎構造を決定するのに用いられています。具体的には以下のように行います。

  1. 小規模建築物である
    • 砂礫や玉石のない地盤ではスウェーデン式サウンディング
    • 砂礫や玉石のある地盤では機械ボーリングと標準貫入試験(「N値」参照)
      あるいは簡易動的貫入試験
  2. 調査深度は建物幅の1.5~2倍としますが、良好な地盤が確認できれば浅くてもよい
  3. N値または換算N値を求めます[Wsw(N)、Nsw(回)]
    • 砂ではN=0.002Wsw+0.067Nsw
    • 粘土ではN=0.003Wsw+0.05Nsw
  4. N値から許容支持力を推定します
    • 砂では8N(kN/m2)
    • 粘土では10N(kN/m2)
  5. 許容支持力により適合する基礎構造を選定します
    杭基礎を用いないときには置き換えや地盤改良を行います

スウェーデン式サウンディング試験機器
スウェーデン式サウンディング試験機器の写真

自動式試験機による測定状況
自動式試験機による測定状況の写真

地盤の許容支持力
地盤の長期許容支持力度
[kN/m2]
建物の基礎構造
20未満 基礎杭
20以上30未満 基礎杭又はベタ基礎
30以上 基礎杭、ベタ基礎または布基礎
地盤支持力の目安
地盤 長期許容地耐力
[kN/m2]
備考
(Nsw値)
砂質地盤
  • 密なもの
  • 中位
  •  
  • ゆるい
  • 非常にゆるい
  • 300
  • 200
  • 100
  • 50
  • 30以下
  • 400以上
  • 250~400
  • 125~250
  • 50~125
  • 50以下
粘土質地盤
  • 非常に硬い
  • 堅い
  • 中位
  • 軟らかい
  • 非常に軟らかい
  • 200
  • 100
  • 50
  • 30
  • 20以下
  • 250以上
  • 100~250
  • 40~100
  • 0~40
  • Wsw1000N以下
関東ローム
  • 硬い
  • やや硬い
  • 軟らかい
  • 150
  • 100
  • 50以下
  • 50以上
  • 0~50
  • Wsw1000N以下
サウンディングの種類
名称 貫入・
連続性
測定値・
可能深度
推定値 適用地盤 特徴
標準貫入試験(SPTと略す) 動的

不連続
N
調査深度の制限は基本的にない
qu、φ、γt qa、E 全ての地盤
玉石・砂礫では注意を要す
一般的である
ボーリング併用
JISA1219
大型貫入試験 動的

不連続
Nd
調査深度の制限は基本的にない
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 砂礫地盤に有効
一般的ではない
簡易動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
3-5m
N、qc、Nsw 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 急傾斜地に有効
小規模住宅基礎地盤調査でも使用している
JGS1433
オートマチィックラムサウンディング 動的

連続
Nd
30m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す スウェーデンの規格
最近ではSS試験の替わりに多用されている
鉄研式大型動的コーン貫入試験 動的・
連続
Nd
15m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTの補助に利用される
鉄研式中型動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
10m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTの補助に利用される
土研式動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
1m
N 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 道路路床調査に利用される
スウェーデン式サウンディング試験 (SS試験) 静的

連続
Nsw,Wsw
15m
N、qu 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTより作業が簡単
人力搬入可能
オランダ式二重管コーン貫入試験 静的

連続
qt
15-30m
c 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 周面摩擦の影響を受けない
機材の搬入を要す
ポータブルコーン貫入試験 静的

連続
qc
5m
柔らかい粘土地盤 簡易試験
迅速で簡便な器具
三成分コーン試験 静的

連続
qc
30m
c、間隙圧u 柔らかい粘土・砂質土地盤 信頼度が高い
高価な機材
電気的静的コーン貫入試験 静的

連続
qt
30m
c、間隙圧u 柔らかい粘土・砂質土地盤 信頼度が高い
高価な機材
原位置ベーンせん断試験 静的

不連続
τv
15m
非排水せん断強さc 柔らかい粘土地盤 地盤の強度が直接測定できる
孔内水平載荷試験 静的

不連続
p、r
調査深度の制限は基本的にない
変形係数,非排水せん断強さ 孔壁の自立するあらゆる地盤 推定値の力学的意味が明瞭である
ボーリング併用

地盤工学会:地盤調査法1995に加筆

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

物理検層

ボーリング孔を利用して孔壁周辺の地層の物理的性質を調べる原位置試験のことです。ボーリング調査では地層から試料を採取して直接的に色、岩質、硬軟、割れ目の程度を調査するのに対し、物理検層では、地層の物理的性質のうち、電気的性質、速度伝播性、放射能強度、温度特性等を捉え、間接的に地層の状況を明らかに使用とする調査法です。これらの種類を表に示します。

物理検層は多くの場合、ボーリング孔内に降下する検知器部分、地表で測定記録する器械の部分、これらを結ぶ電線・ケーブル部分とから構成されます。

物理検層方法の一覧表
調査法 求まる物性値 利用方法 適応地質
PS検層
(速度検層)
P波速度(Vp)
波速度(Vs)
岩盤分類(岩級区分、土工区分)
動弾性係数の推定
耐震設計地盤定数
ケーシング内は不可
崩壊性地盤は塩ビパイプで保護する
電気検層
(マイクロ検層)
見かけの比抵抗値
(ρa)
地層の区分
帯水層の判定
断層の検出
ケーシング内は不可
泥水でも測定可
温度検層 孔内温度
(水温)
水温分布
地下水流動箇所
ケーシング内でも可
キャリパー検層 掘削孔径 掘削孔径の変化状態 ケーシング内は不可
密度検層 散乱γ線強度 地層の密度 ケーシング内は散乱補正が必要

電気検層測定器具

電気検層測定器具の写真

電気検層・温度検層測定事例
電気検層・温度検層測定事例グラフ

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

平板載荷試験

平板載荷試験は、載荷板の荷重沈下曲線から地盤反力係数や極限支持力などの地盤の支持特性を求めることを目的とした試験方法です。平板載荷試験から求まる地盤の支持特性は基礎の設計に対して重要な資料となります。

ただし、平板載荷試験結果に影響する地盤の範囲は、深さ方向に対して載荷板の直径の1.5~2.0倍程度(直径30cmの載荷板では、深さ45cm~60cm)であり、実構造物基礎の寸法は、載荷板の寸法より大きいことが多く、その支持特性に影響する深さは、載荷試験の場合に比較して大きくなりがちです。

したがって、載荷試験の結果を基礎の設計等に利用する場合は、このような寸法の違いによる支持特性への影響を十分に考慮して行う必要があります。

平板載荷試験による測定状況
平板載荷試験による測定状況写真1平板載荷試験による測定状況写真2

平板載荷試験結果整理図
平板載荷試験結果整理図の例

「株式会社ソイル・ブレーン 河村志朗」

三成分コーン貫入試験

地盤を調べるとき通常ボーリングが行われますが、より簡便に調べる方法がいくつかあります。その代表的なものがコーン貫入試験です。これは円錐状いわゆるコーン状に先端が尖った棒を地中に押し込むもので、大きな押込み力が必要な場合は固い地盤で、小さな押込み力で貫入する場合は軟らかい地盤であるということが容易に想像できます。

地盤への貫入の仕方に、油圧や手動で徐々に貫入させる場合(静的貫入)と打撃により貫入させる場合(動的貫入)があります。

三成分コーン貫入試験というのは、この静的貫入によるコーン貫入試験のうちで比較的最近開発されたものです。従来のコーン貫入試験は、コーンの貫入に必要な力だけを測定していたのですが、それでは、地盤が砂なのか粘土なのかが分かりません。そこで、三成分コーンでは次の三つの成分をして、地盤の土質を始め強度などを推定するものです。

  1. 先端抵抗
  2. 間隙水圧
  3. 周面摩擦抵抗

三成分コーン貫入試験の特徴を整理すると次のようになります。


長所

  • ボーリングに比べ安価(単価は半分以下)
  • ボーリングに比べ迅速(時間は半分以下)
  • 三つの測定成分を用いることで土質の判定ができる
  • ボーリングでは困難な,軟弱粘土層中の砂の薄層の検知

短所

  • 土を採取できないため,地盤の強度は推定値しか分からない
  • N値20回程度以上の硬い地盤では貫入できない

このような特徴を生かし次のような活用がなされています。いずれも、ボーリングのみの調査に比べて大幅なコスト縮減に結びつけることが可能となります。

  1. 沿岸部の道路,堤防など延長の長い構造物の調査でボーリングの補間
  2. 埋立地のように土質変化が激しい場合の土層構成確認
  3. 谷部の軟弱地盤の層厚確認

(基礎地盤コンサルタンツ株式会社 岩崎公俊)

ボアホールカメラ

ボアホールカメラは、主としてボーリング孔内の状況を観察するためのカメラです。同様の孔内観測システムとして、ボアホールテレビやボアホールスキャナー、ボアホールスコープという言い方をしているものもあります。

このボアホールカメラでは、孔内観察をもとに、以下のような地質調査~解析が可能となります。

ダム
基盤岩の節理、亀裂、断層など不連続面の観測・評価、グラウト計画策定前の岩盤評価やグラウチング効果判定
トンネル
老朽化トンネルのライニング背後の空洞や岩盤緩み状態の確認、新設トンネルの先行予知調査
地下空洞
地下空洞サイトの岩盤評価、掘削に伴う岩盤緩みの挙動モニタリング
斜面安定
切り取り斜面の岩盤緩み評価、地すべり地点の岩盤状態確認
地下ダム
地盤内の空隙の直視による貯水効率の定量的評価
その他
コンクリート構造物内部の点検、井戸内部の変状確認、道路路床構造の点検

ボアホールカメラの構造

ボアホールカメラの構造模式図

ボアホールカメラは、本体と360°展開型プローブから構成されています。

CCDカメラの下に円錐型のミラーがあり、ここに映された孔壁全周をカメラで撮影し、このデータがMO(光磁気ディスク)にディジタル記録される仕組みとなっています。

また、撮影と同時に、撮影された環状の映像は画像処理され、本体のモニタに展開画像が表示されます。このデータをパソコンにより処理することで、次に示すような解析結果を得ることができます。

  • 解析画像
  • 亀裂面シュミットネット
  • 不連続面(亀裂面)一覧表
  • 見掛け傾斜図
  • 亀裂方向散布図
  • 大円(シュミットネット上で亀裂の方向を輪切りに表現した物)
  • ローズダイアグラム(一定方向に含まれる亀裂の割合を示したグラフ)

ボアホールカメラによるボーリング孔の撮影概念図
ボアホールカメラの撮影画像の解析図

「(株)エイトコンサルタント 石田泰則」

温泉調査

温泉調査とは、対象地域に分布する地質やその構造、および熱源などの存在を科学的方法によって詳細に調べ、温泉の有無やその開発方法(主にボーリング)を明らかにする調査のことです。

調査を行う場合、まず・熱、・水、・通り道(あるいは入れ物)の存在を考えなければなりません。温泉は特殊なものではなく、この条件を満たせば、どこにでも存在する普通の地下資源(地熱資源)です。しかし、このうちの1つでも欠けると、温かい温泉を得ることはできません。

地下を深く掘れば、場所によって程度の差はありますが、地温は次第に上昇していきます。このため、地下深部まで地下水が循環するような規模の大きな割れ目、たとえば断層や破砕帯などが主に温泉開発の対象になります。

調査では、地表に分布する地質を調べることが最も重要です。しかし、これだけでは地下深部の断層や破砕帯の様子などはわかりません。そのため、電気探査(図-1)や放射能探査(図-2)など(物理探査)を行ったり、水銀ガスや二酸化炭素などの土中ガス濃度あるいは湧水などの水質を調べたりして(地科学調査)、温泉開発の可能性を探ります。

温泉は浴用ばかりに目がいきますが、実は資源の少ない日本にあとっては重要なクリーンエネルギーの1つなのです。地熱資源は、その利用方法や技術的な面で、最も進んでいる新エネルギーでもあります。このような観点で、温泉の有効利用を進めていくことが、今後増々重要になっていくものと考えられます。

電気探査(比抵抗2次元探査)の測定風景と解析図
電気探査(比抵抗2次元探査)の測定風景写真電気探査(比抵抗2次元探査)の解析図

放射能探査(ガンマ線スペクトル法)の測定風景と解析図
放射能探査(ガンマ線スペクトル法)の測定風景写真放射能探査(ガンマ線スペクトル法)の解析図

「株式会社シマダ技術コンサルタント 岩田 昭夫」

ジオトモグラフィ

ジオトモグラフィは、医学分野で成果を収めているX線CTあるいは超音波CTの原理を応用して、地盤調査法として開発されてきた方法です。これは、文字どおり地を切ってその構造を知ろうとする技術であり、1970年代から開発され、1980年代に大きく進展したものです。

本方法は、図-1に示すように、地表、ボーリング孔および調査坑などに多数の発信点と受信点を配置し、孔-孔(坑)間および孔(坑)-地表間で物理探査的手法により計測を行い、インバージョン解析により物性分布を再構成するものです。探査に用いる媒体は、弾性波、比抵抗、電磁波などが実用化されています。

いずれの場合も、解析結果で得られる2次元画像の精度は、測線・測点配置、測定機器の精度、解析方法などに左右されます。調査に際しては、事前に地質構造の概略を把握し、目的に応じた適切な測線・測点配置を計画する必要があります。

なお、図-2は、地すべり地で実施した比抵抗トモグラフィの解析結果例です。測線ごとの結果を組み合わせて、比抵抗値レベルを色分けで3次元表示したものです。

図-1 ジオトモグラフィの概念図
図-1 ジオトモグラフィの概念図

図-2 探査結果例(比抵抗トモグラフィ)
図-2 探査結果例(比抵抗トモグラフィ)

「復建調査設計株式会社 藤本 睦」

GIS

GISとはGeographic Information System(地理情報システム)の略で、土地に関連する色々なデータを、地図を共通のキーとして管理し、検索・分析及び出力を行う技術のことです。このGISの有効性としては、主に以下のようなことが考えられます。

  • 統一基準でデータを維持管理できる。
  • データの重複、劣化、紛失の防止が図れる。
  • データの改訂、更新が容易である。
  • 容易で迅速な検索が可能である。
  • 他の情報と複合的に表示させ、分析が行える。

この性質から、上下水道・都市計画・ 道路整備などの管理用として利用されます。又、簡 易的なものとしてカーナビなどがあります。

GISデータのレイヤ構造概念図GISは、図形データと属性データの2つから 構成されます。図形データとは、その図形の形状・ 色・大きさなどによって、情報を表現するデータ のことです。この図形データは、属性データに 従って、複数の画層(レイヤ)に分かれて描画されます。又、描画される位置は、各レイヤとも同じ 平面直角座標系に基づいて行われるため、同じ座 標値をもつ図形データは、レイヤが異なっても同 じ位置に描画されることになります。これを概念的に 説明すると次のようになります。レイヤとは、1枚の 透明なフィルムであり、これに図形を描画します。

白地図の上に、必要な図形が描画されたフィルムを複数枚重ね、上から見ることによって、各図形の関係が地図を基にして表現され、総合的な解析が可能となります。図形データは、そのデータ形式から、ベクターモデル及びラスターモデルの2タイプに分類されます。両者それぞれ長所と短所があり、利用目的・精度及び予算によって使い分けられています。通常、属性データを持つ図形はベクターモデルを、背景図としての図形はラスターモデルが使用されます。図形データの特殊なものとして、基図があります。これは、GISにおいて中心的な役割を持つ地図データのことであり、地勢図・数値データ・都市計画図・森林基本図及び航空写真などが利用されます。

属性データとは、非空間・非図形である文字・数字データであり、図形データと関連づけられるデータのことを示します。この記憶されるデータの構造は、ひとつの属性に対して、現実に実在する物をモデル化したものです。ベクターモデルの図形は、固有のコード番号を持つことができ、これを属性データ管理テーブルで記憶することによって、両者の関連付け(リンク)を行うことができます。これによって、図形データに何らかのアクションを起こすことによって、属性情報を表示させることが可能となります。又、逆にある条件を与え、これに満足する属性情報を持つレコードを検索し、このレコードが持つコード番号からベクターモデルの図形を認識させ、色を変えて表示させることも可能となります。

複数の属性データで、同じ項目(フィールド)を持つ場合があります。この場合、両者の関係を定義することによって、相互のテーブルを一つのテーブルとして認識することができ、データの省略化及び複雑な分析が可能となります。これをリレーショナルデータベースと呼びます。近年GISが普及した理由として、ハード面の性能の向上も考えられますが、このリレーショナルデータベースが導入できるようになったところが大きいと考えられます。

「株式会社宇部セントラルコンサルタント 松井 隆澄」

流量測定(地表水)方法

地表水の流量は、流域、降水量、蒸発量や地下水との流出・流入量などによって変化します。このため、流域や降水量などが既知の場合、地表水の流量を測定することで、地下水の流出・流入量を想定することが可能となりますが、地表水の流量は降雨時の土壌の飽和度や中間流出までの時間的な速さなどの要因によっても変化します。

しかし、直接的な測定ができない地下水の流出・流入量を想定し、地質との関連を検討するために、有効な手段となります。特に、岩盤が露出し地下水への流入がほとんどない条件で長期間にわたり降雨がない場合には、地下水の流出のみ(基底流量)となり、地質と地下水量の関係を把握しやすくなります。

地質調査の観点から、地表水の流量測定を行う目的として、

  • 地質区分と水理地質や地下水の関係の把握
  • 地表水の帯水層への涵養量の推定、或いは帯水層から地表への流出量の推定
  • 断層などの地下水の供給源の推定

といった内容が挙げられ、具体的には、

  • トンネルや大規模な切土などを対象とする土木工事で問題となる地下水調査
  • 岩盤地帯での地下水探査

などのような適用事例が考えられます。

小規模な河川や渓流などでの地表水の流量測定方法を簡単に紹介します。

測定手法として、

  1. 直接計量(容積法)
  2. 流速計法
  3. 堰法
  4. 投入試薬の希釈度の測定(塩分希釈法)

が挙げられ、各々の測定方法や適用条件などについてまとめます。

表1 地表水の流量測定手法
測定方法 概要 適用条件 備 考
1.容積法 渓流を土嚢などにより止水しVP管などを通して流下させ流量を直接測定する。 直接的な測定であり精度は高い。流量が多い場合困難である。 簡易な方法では地表水の完全な捕捉が難しい。
2.流速計法 通水断面を測量により作成し、流速計により数ヶ所の流速を測定し流量を求める。 流量が多い場合に適する。逆に水量が少ない場合、測定が難しく精度が悪くなる。流速が通水断面内で大きく変化する条件では精度が悪くなる。  
3.堰 法 河川や渓流の途中に三角堰などを設置しノッチ高を測定する。 岩盤や玉石の分布地での堰の設置は難しい。 砂や礫などの堆積物が分布する場合、地表水が地下へ浸透しやすくなる。 一般に堰は常時設置するため、簡易な構造の場合、豪雨時に破損する可能性がある。
4.塩分希釈法 一定時間、定量の食塩水を継続的に渓流に投入し、下流側にて電気伝導度を測定し、流量を計算にて求める。 流量の多寡によらず比較的簡易に測定可能である。 食塩以外の試薬もあるが、食塩を利用することが多い。

以上が、主要な測定法の概要であり各方法ともいくらかの測定誤差は生じる。現地状況や目的に応じて適切な手法を選択する必要がある。

<<測定状況写真>>

▼写真1 容積法-バケツなどを利用して水量を測定する。
容積法の測定状況写真

▼写真2 流速計法
流速計法の測定状況写真

▼写真3 堰法-三角堰を利用しノッチ高を計測する(写真では自動測定)。
堰法の測定状況写真

▼写真4 塩分希釈法
塩分希釈法の測定状況写真

「(株)エイトコンサルタント 石黒 靖彦」

赤外線法

赤外線カメラ
赤外線カメラの写真

コンクリートの健全部と浮き部の間で生じる温度差を赤外線カメラで撮影することにより、非破壊・非接触でコンクリートの浮きを面的に検出できる技術です。

コンクリート片の落下は、そのまま事故につながる可能性があるため、この前段階である、浮き・剥離の調査は非常に重要です。

コンクリートの表面温度は、外気温の変化に追従し周期的な温度変化が生じています。浮き部は、健全部に比べて暖まりやすく、冷めやすい温度特性であるため、浮き部と健全部で温度差が生じます(日中の場合、浮き部は高温となります。図1参照)。この温度差を赤外線カメラで撮影することで浮き部を検出します。撮影には一日の温度変化の大きな晴天もしくは曇天が適しています。

主な赤外線法の種類

図1 赤外線撮影例(橋脚部、日中)
図1 赤外線撮影例(橋脚部、日中)

図2 赤外線差画像法の解析例
図2 赤外線差画像法の解析例

図3 赤外線画像解析法の解析例(トンネル)
図3 赤外線画像解析法の解析例(トンネル)

赤外線原画像判定法
赤外線原画像からうき・剥離の判定を行う。
現地で赤外線カメラのモニタ画面上で判定する方法
室内で記録された画像を調整して判定する方法
赤外線差画像法(2回撮影法、土木研究所法)
吹きつけのり面の老朽化診断のために土研で開発された方法。同じ対象物を時間帯を変えて2回撮影し、温度変化量の大きさから劣化部を判定する(図2)。
赤外線画像解析法
熱画像をコンピュータで精密に解析する。原画像の目視では判断できない微小な温度変化までも検出するため、温度変化の小さいトンネルでも適用できる。また、うき・剥離のほかにひび割れも検出できる(図3)。
アクティブ法
対象物を人工的に加熱又は冷却して赤外線撮影し、原画像判定を行う。温度環境等の条件の影響を受けにくいが、加熱/冷却に大きな装置とエネルギー、手間を必要とする。

「基礎地盤コンサルタンツ株式会社 久賀 真一」

 

電気伝導度・p.H観測

電気伝導度

電気伝導度は電気の通りやすさを示す指標であり、溶液中に含まれるイオンが電気を運ぶ役割を担うので、これに含まれる電解質の濃度が高くなれば値は高くなります。しかし、伝導率の欠点でもあり長所でもあることは、電荷をもたない物質(ケイ酸)はいくら水に溶け込んでいても伝導率には影響しないことです。1mg/lについての伝導率は、陸水の主成分のうち、最小がHCO3-、最大がMg2+であり、同じmg/lであっても、塩類組成によって伝導率は異なります(表-1参照)。

よって、電気伝導度観測は以下の点で役立ちます。

  1. 流域の大まかな水文地質特性
  2. 地下水系統の異なる水の判定
  3. 水質変化の監視
  4. 異種の水塊における混合等の把握
表-1 主要イオン1mg/lについての伝導率(第3版 水質調査法より引用)
イオン 当量伝導率(25度) 1g当量 1mg/lについての伝導率
Na+ 50.1 23.00 2.18×10-3
K+ 73.5 39.10 1.88×10-3
Mg2+ 53.1 12.16 4.36×10-3
Ca2+ 59.5 22.00 2.78×10-3
Cl- 76.4 35.46 2.15×10-3
SO42- 80.0 48.03 1.67×10-3
CO32- 72.0 30.01 2.40×10-3
HCO3- 44.5 61.02 0.73×10-3
NO3- 71.4 62.01 1.15×10-3

pH

p.H観測は、地下水の性質が塩基性か中性か酸性かを把握する上で重要な水質項目となります。

地下水は、地質、土壌中の二酸化炭素の影響、植物の炭酸同化作用およびバクテリアによる生物体の分解、海水の影響、人為的影響等の因子によって水の性質が変化します。

一般的に、p.Hの指標は、日本各地の観測傾向から、河川中のp.Hで6.6~7.2、浅層地下水で5.6~6.6、深層地下水で6.7~8.0を示すことが言われてます。

p.Hは次に示す種々の条件で値が左右されます。

  1. p.Hの異なる水の混合
  2. 二酸化炭素放出によるpHの上昇
  3. 植物の炭酸同化作用によるp.Hの上昇
  4. 有機物の分解・二酸化炭素の酸化によるp.Hの低下
  5. 硫化物の酸化によるp.Hの低下

観測とデータの整理

写真-1 電気伝導度・p.H観測状況
写真-1 電気伝導度・p.H観測状況

写真-2 左:電気伝導度計:16.28mS/m
右:p.H計:6.34
写真-2 左:電気伝導度計 右:p.H計

図-1 平成13年度の降水量と地下水位、電気伝導度、p.Hの季節変化(Bor.No.B)
図-1 平成13年度の降水量と地下水位、電気伝導度、p.Hの季節変化(Bor.No.B)

表-2 平成13年度における各観測項目の調査概要(Bor.No.B)
観測項目 地下水位標高(m) 電気伝導度(mS/m) p.H
年最大値 96.44 20.5 6.9
年最小値 95.84 12.5 5.4
年較差 0.60 8.0 1.5
年平均 96.12 14.8 6.1

定期的に地下水位、電気伝導度、p.Hの一斉観測を実施し、気象条件による地下水の水質の把握および地下水の涵養・流動的機構を解明します。工事着手前は、年最大値、年最小値、平均値に関する経年変化をグラフで表し、長期的な傾向を考察します。工事中は事前に取得したデータと比較して地下水の汚染実態を評価します。

「株式会社宇部セントラルコンサルタント 植田敏史」

土木材料の色彩の数値化

原理

 岩石や土砂の色彩は、風化作用、熱水変質作用、そのほかの化学的変化や含有物によって左右されている。そのため岩石、土砂の色彩を定量的に表現すれば、風化変質の程度や含有鉱物量などの定量的判断指標に応用できる。
測定は、客観的・定量的測定法として優れ、また軽量で操作が簡便な分光測色計(扶桑プレシジョン製 PRIMO MIRAGE 写真-1)にて行う。当測定器の表色はマンセル系、XYZ系、L*a*b*系が可能で、340-750nm間の分光反射率も得られる。図1に一般的に用いられる、L*a*b*座標系を示す。
風化作用の場合は一般的に風化が進行するにつれて、岩石の色彩が赤褐色系に変化していく。したがって特にa*、b*値は、数値が大きくなるほうに変化する。

分光測色計
写真-1 PRIMO MIRAGE


図-1 L*a*b*座標系

分析目的および結果の利用方法例

 図-2は岩石の色彩(b値)あるいは450nm付近の反射率と、圧縮強度の関係図である。強度が約100MN/m2以上と硬質な試料(古第三紀花崗岩)において、それぞれ良好な関係が認められる。分光測色によって、未風化硬質な岩石の強度特性の把握の可能性を示した例である。
図-3は、セレンを環境基準値以上溶出する試料の判別図である。色彩値a*b*値の分布(分光測色)により、セレン溶出岩の判定がその場で瞬時に把握できる例である(a*b*値が、赤あるいは青線より左側に分布する試料はセレンを基準値以上溶出する岩)。
ともに、岩石の風化あるいは変質に伴う色の変化と物性値の変化がリンクした例といえる。間接的な物性値推定方法のため、適用に制限や工夫が必要であるが、分光測色計は軽量かつ簡易で、その場分析が可能であることから現場作業にも適している。今後も、様々な分野への応用が期待できる。

岩石の色彩(b値)の反射率と、圧縮強度の関係図
図-2 分光測色結果利用例(1)

環境基準値以上溶出する試料の判別図
図-3 分光測色結果利用例(2)

((株)エイト日本技術開発 磯野陽子)

水みち調査

地盤の一部に透水性の高い箇所が存在し、相対的に速い地下水の流動速度を有する区間を地下水流動区間(≒水みち)と言います。水みちの存在を把握することで、河川やため池堤体の健全性評価、土木工事における作業の安全性・経済性評価、地下水保全対策及び地下水汚染対策等に役立てることが出来ます。

水みちの深さ方向の位置を比較的簡便に検出する手法として、トレーサー(地下水と電気抵抗あるいは温度の異なる水)による地下水流動層検層があります。

トレーサーによる地下水流動層検層

  1. ボーリング孔内にトレーサー(食塩水、温水等)を投入します。
  2. トレーサーの濃度・温度の経時変化を定期的(3分後、5分後、10分後、15分後、30分後、60分後、90分、120分後等)に測定します。
  3. トレーサーの濃度・温度(希釈の速さ)の違いより、水みちの存在を検出します(下図参照)。


地下水流動検層結果例
(地盤調査の方法と解説より)


検層機器の例

トレーサーによる地下水流動層検層により、水みちの有無の確認に加え、その水みちの孔内流速の推定が可能となります。

その他の水みち調査手法

  • 他の計測器(孔内流向・流速計、孔内カメラ等)を用いることで、流下方向や実際の流速等、さらに詳細な水みちの情報を得ることが可能です。
  • 調査対象範囲が広域な場合、トレーサー試験、高密度電気探査(別途掲載)及び水質分析等が水みちの存在の絞り込み(初期調査)に際して有効な手法と考えられます。但し、これらの手法の採用にあたっては、事前に現地調査を行い、地盤・地質構造を十分に把握した上で現地調査計画を立案する必要があります。

「株式会社エイト日本技術開発 高津 順」