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第28回技術講演会(Web質問回答)

第28回技術講演会でのチャットによる質問で、時間内に回答できなかった部分もありましたので、下記に回答させていただきます。

発表者1濱田 展寿
演題路面陥没リスクと路面下空洞調査
質問1なし
回答1なし
発表者2池田 雄輝
演題強風化花崗岩(マサ土)地すべりにおける孔内傾斜計・パイプ歪計併用孔による観測事例
質問2孔内傾斜計とパイプ歪計の併用孔のボーリング掘削径は、φ66mmですか?φ86mmですか?
回答2ボーリング掘削径はφ66mmです(ケーシングは89mm)。
質問3管外径と孔壁との充填剤はセメントミルクでしょうか?
回答3充填剤はセメントミルクです。
質問4最近はパッカーの設置が一般化になっていますが、併用の場合にパッカーの設置は可能でしょうか?
回答4パッカーの設置はできると思います。ただ、今回は実施しませんでした。
質問5孔内傾斜計とパイプ歪計を併用することの利点は何でしょうか。
回答5孔内傾斜計は実変位を把握することができること、パイプ歪計は、緻密なデータで変位の微小な経過が把握しやすいという特徴から、孔内傾斜計とパイプ歪計を併用することで、詳細な地すべり運動機構を把握できることが利点であると考えています。
発表者3片山 裕貴
演題孔内磁気探査による矢板の埋設深度確認事例
質問6矢板の天端が露出しているのであれば、オーリス探査を行えば調査ボーリングの掘削は不要であると考えられますが、磁気探査を採用した理由は何でしょうか?
回答6矢板など埋設物の深度確認のみであれば、ご指摘のとおりボーリングを実施せずとも探査はできる可能性はあります。ただ、矢板先端は硬岩で、オーリスでは出にくい可能性があったことと、下記の工程的対応により、実施しています。
今回の調査の場合はボーリングを別の目的(盛土構成の把握、軟弱地盤の分布確認)で先行して実施しており、こちらがメインの調査でした。鉛直磁気探査は調査孔を利用して、たまたま付近で見つかった既設矢板の深度も探査できないか、と、いわば後付けで(試験的に)探査を行ったものとなります。
質問7鉛直磁気探査の限界深度は何mですか?
回答7原理的には特に限界深度はないものと思われます。
今回探査に用いた機材について、センサーのケーブル長は100mでした。これ以上はセンサー(コイル)と地上部をつなぐケーブルの電気抵抗がコイルの起電力に勝るようになり、正確に測定できないようです。
ただし、センサー(コイル)側にアンプを搭載した機材を用いれば、より深部の探査も可能なようです。
質問8探査の障害は何ですか?
回答8障害は他の(探査対象物の近くに存在する)磁性体です。
センサー先端を中心に2mの球状内の磁気に反応するので、探査対象物の近くに磁気を発する物体が存在すると、検知した磁気反応が探査対象物からのものか、近傍の磁性体によるものなのかの判別ができません。
発表者4太田 清仁
演題現場作業時の発注者対応においての効率化
質問9なし
回答9なし
発表者5麻生 健介
演題異なる手法を用いた液状化判定結果について
質問10なし
回答10なし
発表者6光延 和倫
演題地質リスク特定の1ツールとしての5万分の1岡山県地質図の活用事例
質問11隣り合う、作成年代の異なる図福を整合させる際に、地層名が合わない、境界が合わないなどのご苦労はあったでしょうか。
回答11岡山県地質図は概ね同一精度で全県が作成されているため、地層名が合わないということはありませんでした。しかし紙ベースの地形図を1図幅ごとトレースして作成しているため、隣り合う図幅の境界を合わすのには苦労しました。現在、シームレス化に向けて作業方法を検討しております。
発表者7内藤 真弘
演題道路事業に対する地質リスク検討
質問12地質リスク評価業務を実施している最中に、地質調査がすでに動いているというご説明だったかと存じます。本来であれば、地質リスク評価業務の後に地質調査をすべきだと思いますが、経緯について、お応えできる範囲で教えてください。
回答12事業の工程上の関係で余裕が無く、已む得ず事業を同時進行せざるを得ない状況での対応になっております。
発表者8細田 健太
演題名水が湧き出る場所での地下水流動調査および施工への配慮
質問13なぜ塩は食用塩ではなく、岩塩を用いるのでしょうか。岩塩を用いるメリットも教えてください。
回答13調査地である湯口の湧水は湧水量が多く、一時的な塩の投入では測定値の変動を観測することが困難であると考えられたため、岩盤の地下水中に継続的に塩を供給する必要がありました。
食用塩の場合粒子が細かく、地下水中で短時間の内に溶け切ってしまうため、食用塩と比較して粒径が大きく(φ20~40㎜程度)、長時間とどまる岩塩を用いて調査を行いました。
今回の調査では、2回/1日の岩塩投入で孔内の塩分濃度を維持することが可能でした。
発表者9奥板 幸希
演題現場発生土による盛土が引き起こした地すべり事例
質問14平面図の右上にある丸いものは、集水井でしょうか。集水井の水量や変状など、全体的なすべりの調査もされたのですか。
回答14平成2年に施工された集水井です。
ブロック設定をする段階で、集水井の変状や排水量の確認(覗き込み程度)は行っていますが、多量の排水があり、特段の変状も認められなかったのでそれ以上の調査は実施しておりません。
質問15機構解析図で下位のすべり面は、ほうせきど層の滑落崖を天端としたほうがシンプルだと思うのですが。いかがでしょうか?
回答15断面上では滑落崖のように見えますが、実際は滑落崖ではありません。
当該箇所に特段の変状も認められず、上部の盛土層と崩積土層の境界も推定であることから、すべり面頭部をする根拠が無かったため、現在の位置を頭部として設定しております。
質問16抑制工だけの対応を計画されているとのことですが、地下水位が思ったより下がらないケースもあろうかと思います。対策工施工後に効果判定を行い、効果が小さい場合は抑止工を検討する、という流れで事業が進められるのでしょうか。
回答16水抜きボーリング工が施工された場合、基本的には効果判定が行われると思います(島根県・農林の場合)。その際、水位が下がっていなかった場合は、抑止工に限らず別途対策工を検討するという流れです。
本業務においても上記の流れと同様であり、また、農道の補修は別業務であったため、農道自体に抑止工を計画できなかった経緯があります。
そのため、その補修時に軟弱な盛土層をできる限り良質土に置き換えたり、排水性の良い土留工にするなどの計画(対策)をしています。
発表者10長江 宏樹
演題地すべり対策における地質リスクを考える
-山口県周南市中須北地区の地すべり対策を例として-
質問17ボーリングコアですべり面を決定した際の根拠について補足説明をお願いします。特に、傾斜計観測を実施していない、斜面下側のボーリング地点でのすべり面設定根拠を教えてください。
回答17すべり面は、斜面上側のボーリング孔においてGL-6.0m付近でN値が低下していることと、傾斜計観測においてGL-6.0mで少量の変位が認められたことから、地表踏査で確認したブロック頭部,ブロック末端部,斜面上側ボーリング孔GL-6.0mの3点を通る円弧すべり面として設定しました。
傾斜計観測を実施していない斜面下側のボーリング地点では、コア観察では明瞭なすべり面粘土を確認することができず、N値の低下も認められなかったため、断面検討を行い上記の円弧すべり面と重なる深度(GL-5.3m)をすべり面深度としました。

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