わかりやすい地質百科

ボアホールカメラ

ボアホールカメラは、主としてボーリング孔内の状況を観察するためのカメラです。同様の孔内観測システムとして、ボアホールテレビやボアホールスキャナー、ボアホールスコープという言い方をしているものもあります。

このボアホールカメラでは、孔内観察をもとに、以下のような地質調査~解析が可能となります。

ダム
基盤岩の節理、亀裂、断層など不連続面の観測・評価、グラウト計画策定前の岩盤評価やグラウチング効果判定
トンネル
老朽化トンネルのライニング背後の空洞や岩盤緩み状態の確認、新設トンネルの先行予知調査
地下空洞
地下空洞サイトの岩盤評価、掘削に伴う岩盤緩みの挙動モニタリング
斜面安定
切り取り斜面の岩盤緩み評価、地すべり地点の岩盤状態確認
地下ダム
地盤内の空隙の直視による貯水効率の定量的評価
その他
コンクリート構造物内部の点検、井戸内部の変状確認、道路路床構造の点検

ボアホールカメラの構造

ボアホールカメラの構造模式図

ボアホールカメラは、本体と360°展開型プローブから構成されています。

CCDカメラの下に円錐型のミラーがあり、ここに映された孔壁全周をカメラで撮影し、このデータがMO(光磁気ディスク)にディジタル記録される仕組みとなっています。

また、撮影と同時に、撮影された環状の映像は画像処理され、本体のモニタに展開画像が表示されます。このデータをパソコンにより処理することで、次に示すような解析結果を得ることができます。

  • 解析画像
  • 亀裂面シュミットネット
  • 不連続面(亀裂面)一覧表
  • 見掛け傾斜図
  • 亀裂方向散布図
  • 大円(シュミットネット上で亀裂の方向を輪切りに表現した物)
  • ローズダイアグラム(一定方向に含まれる亀裂の割合を示したグラフ)

ボアホールカメラによるボーリング孔の撮影概念図
ボアホールカメラの撮影画像の解析図

「(株)エイトコンサルタント 石田泰則」

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三成分コーン貫入試験

地盤を調べるとき通常ボーリングが行われますが、より簡便に調べる方法がいくつかあります。その代表的なものがコーン貫入試験です。これは円錐状いわゆるコーン状に先端が尖った棒を地中に押し込むもので、大きな押込み力が必要な場合は固い地盤で、小さな押込み力で貫入する場合は軟らかい地盤であるということが容易に想像できます。

地盤への貫入の仕方に、油圧や手動で徐々に貫入させる場合(静的貫入)と打撃により貫入させる場合(動的貫入)があります。

三成分コーン貫入試験というのは、この静的貫入によるコーン貫入試験のうちで比較的最近開発されたものです。従来のコーン貫入試験は、コーンの貫入に必要な力だけを測定していたのですが、それでは、地盤が砂なのか粘土なのかが分かりません。そこで、三成分コーンでは次の三つの成分をして、地盤の土質を始め強度などを推定するものです。

  1. 先端抵抗
  2. 間隙水圧
  3. 周面摩擦抵抗

三成分コーン貫入試験の特徴を整理すると次のようになります。


長所

  • ボーリングに比べ安価(単価は半分以下)
  • ボーリングに比べ迅速(時間は半分以下)
  • 三つの測定成分を用いることで土質の判定ができる
  • ボーリングでは困難な,軟弱粘土層中の砂の薄層の検知

短所

  • 土を採取できないため,地盤の強度は推定値しか分からない
  • N値20回程度以上の硬い地盤では貫入できない

このような特徴を生かし次のような活用がなされています。いずれも、ボーリングのみの調査に比べて大幅なコスト縮減に結びつけることが可能となります。

  1. 沿岸部の道路,堤防など延長の長い構造物の調査でボーリングの補間
  2. 埋立地のように土質変化が激しい場合の土層構成確認
  3. 谷部の軟弱地盤の層厚確認

(基礎地盤コンサルタンツ株式会社 岩崎公俊)

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