わかりやすい地質百科

電気伝導度・p.H観測

電気伝導度

電気伝導度は電気の通りやすさを示す指標であり、溶液中に含まれるイオンが電気を運ぶ役割を担うので、これに含まれる電解質の濃度が高くなれば値は高くなります。しかし、伝導率の欠点でもあり長所でもあることは、電荷をもたない物質(ケイ酸)はいくら水に溶け込んでいても伝導率には影響しないことです。1mg/lについての伝導率は、陸水の主成分のうち、最小がHCO3-、最大がMg2+であり、同じmg/lであっても、塩類組成によって伝導率は異なります(表-1参照)。

よって、電気伝導度観測は以下の点で役立ちます。

  1. 流域の大まかな水文地質特性
  2. 地下水系統の異なる水の判定
  3. 水質変化の監視
  4. 異種の水塊における混合等の把握
表-1 主要イオン1mg/lについての伝導率(第3版 水質調査法より引用)
イオン 当量伝導率(25度) 1g当量 1mg/lについての伝導率
Na+ 50.1 23.00 2.18×10-3
K+ 73.5 39.10 1.88×10-3
Mg2+ 53.1 12.16 4.36×10-3
Ca2+ 59.5 22.00 2.78×10-3
Cl- 76.4 35.46 2.15×10-3
SO42- 80.0 48.03 1.67×10-3
CO32- 72.0 30.01 2.40×10-3
HCO3- 44.5 61.02 0.73×10-3
NO3- 71.4 62.01 1.15×10-3

pH

p.H観測は、地下水の性質が塩基性か中性か酸性かを把握する上で重要な水質項目となります。

地下水は、地質、土壌中の二酸化炭素の影響、植物の炭酸同化作用およびバクテリアによる生物体の分解、海水の影響、人為的影響等の因子によって水の性質が変化します。

一般的に、p.Hの指標は、日本各地の観測傾向から、河川中のp.Hで6.6~7.2、浅層地下水で5.6~6.6、深層地下水で6.7~8.0を示すことが言われてます。

p.Hは次に示す種々の条件で値が左右されます。

  1. p.Hの異なる水の混合
  2. 二酸化炭素放出によるpHの上昇
  3. 植物の炭酸同化作用によるp.Hの上昇
  4. 有機物の分解・二酸化炭素の酸化によるp.Hの低下
  5. 硫化物の酸化によるp.Hの低下

観測とデータの整理

写真-1 電気伝導度・p.H観測状況
写真-1 電気伝導度・p.H観測状況

写真-2 左:電気伝導度計:16.28mS/m
右:p.H計:6.34
写真-2 左:電気伝導度計 右:p.H計

図-1 平成13年度の降水量と地下水位、電気伝導度、p.Hの季節変化(Bor.No.B)
図-1 平成13年度の降水量と地下水位、電気伝導度、p.Hの季節変化(Bor.No.B)

表-2 平成13年度における各観測項目の調査概要(Bor.No.B)
観測項目 地下水位標高(m) 電気伝導度(mS/m) p.H
年最大値 96.44 20.5 6.9
年最小値 95.84 12.5 5.4
年較差 0.60 8.0 1.5
年平均 96.12 14.8 6.1

定期的に地下水位、電気伝導度、p.Hの一斉観測を実施し、気象条件による地下水の水質の把握および地下水の涵養・流動的機構を解明します。工事着手前は、年最大値、年最小値、平均値に関する経年変化をグラフで表し、長期的な傾向を考察します。工事中は事前に取得したデータと比較して地下水の汚染実態を評価します。

「株式会社宇部セントラルコンサルタント 植田敏史」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科へのリンクバナー

▲ページの先頭へ