わかりやすい地質百科

深層崩壊

 深層崩壊とは山腹斜面の表層の堆積土砂層だけでなく、深部の基岩(岩盤)部分を含む深度の大きい斜面崩壊のことです。深層崩壊の発生は地下の地質構造(割れ目の方向など)や深層地下水が影響して生じると考えられています。また、降り始めからの雨量が数百mmという大きな降雨や大規模な地震により発生します。深層崩壊は降雨終了後数時間以上経過して発生することもあります。
 地すべりも基岩部分を含む土塊の移動現象ですが、地すべりは土塊の移動速度が遅いものが多いのに比べ、深層崩壊は崩壊土砂の動きが速く一瞬で広い範囲の山腹斜面が崩れてしまうこともあります。
 深層崩壊では崩壊土砂が数百万m3に及び、河道部ではその崩壊土砂で天然ダムを形成することもあります。河川の対岸で生じた深層崩壊で被災するなど表層だけが崩壊するケースよりも被害の及ぶ範囲が広いという特徴があります。
 近年では2008年の岩手・宮城内陸地震や2011年台風23号により紀伊半島で深層崩壊が発生しています。

深層崩壊斜面
図1 平成23年台風12号による深層崩壊斜面(奈良県五條市大塔町赤谷地区)

「株式会社エイト日本技術開発 海原荘一」

 

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

流量測定(地表水)方法

地表水の流量は、流域、降水量、蒸発量や地下水との流出・流入量などによって変化します。このため、流域や降水量などが既知の場合、地表水の流量を測定することで、地下水の流出・流入量を想定することが可能となりますが、地表水の流量は降雨時の土壌の飽和度や中間流出までの時間的な速さなどの要因によっても変化します。

しかし、直接的な測定ができない地下水の流出・流入量を想定し、地質との関連を検討するために、有効な手段となります。特に、岩盤が露出し地下水への流入がほとんどない条件で長期間にわたり降雨がない場合には、地下水の流出のみ(基底流量)となり、地質と地下水量の関係を把握しやすくなります。

地質調査の観点から、地表水の流量測定を行う目的として、

  • 地質区分と水理地質や地下水の関係の把握
  • 地表水の帯水層への涵養量の推定、或いは帯水層から地表への流出量の推定
  • 断層などの地下水の供給源の推定

といった内容が挙げられ、具体的には、

  • トンネルや大規模な切土などを対象とする土木工事で問題となる地下水調査
  • 岩盤地帯での地下水探査

などのような適用事例が考えられます。

小規模な河川や渓流などでの地表水の流量測定方法を簡単に紹介します。

測定手法として、

  1. 直接計量(容積法)
  2. 流速計法
  3. 堰法
  4. 投入試薬の希釈度の測定(塩分希釈法)

が挙げられ、各々の測定方法や適用条件などについてまとめます。

表1 地表水の流量測定手法
測定方法 概要 適用条件 備 考
1.容積法 渓流を土嚢などにより止水しVP管などを通して流下させ流量を直接測定する。 直接的な測定であり精度は高い。流量が多い場合困難である。 簡易な方法では地表水の完全な捕捉が難しい。
2.流速計法 通水断面を測量により作成し、流速計により数ヶ所の流速を測定し流量を求める。 流量が多い場合に適する。逆に水量が少ない場合、測定が難しく精度が悪くなる。流速が通水断面内で大きく変化する条件では精度が悪くなる。  
3.堰 法 河川や渓流の途中に三角堰などを設置しノッチ高を測定する。 岩盤や玉石の分布地での堰の設置は難しい。 砂や礫などの堆積物が分布する場合、地表水が地下へ浸透しやすくなる。 一般に堰は常時設置するため、簡易な構造の場合、豪雨時に破損する可能性がある。
4.塩分希釈法 一定時間、定量の食塩水を継続的に渓流に投入し、下流側にて電気伝導度を測定し、流量を計算にて求める。 流量の多寡によらず比較的簡易に測定可能である。 食塩以外の試薬もあるが、食塩を利用することが多い。

以上が、主要な測定法の概要であり各方法ともいくらかの測定誤差は生じる。現地状況や目的に応じて適切な手法を選択する必要がある。

<<測定状況写真>>

▼写真1 容積法-バケツなどを利用して水量を測定する。
容積法の測定状況写真

▼写真2 流速計法
流速計法の測定状況写真

▼写真3 堰法-三角堰を利用しノッチ高を計測する(写真では自動測定)。
堰法の測定状況写真

▼写真4 塩分希釈法
塩分希釈法の測定状況写真

「(株)エイトコンサルタント 石黒 靖彦」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

地質調査手法いろいろ

いろいろな地質調査手法について解説します。

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

地質調査の基本

地質調査の基本的な事柄について解説します。

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

わかりやすい地質百科

地質調査業は、建設・防災・環境の分野でジオ・ドクターとしての社会的役割を担っています。

私たちは、私たちの地球がもっと住みやすく、もっと安全であることを願って、日々努力を重ねています。

このような私たちの仕事の概要、調査(診断)方法、調査(診断)機器、解析(診断結果)等の基礎知識をここでご説明します。

随時内容を追加・掲載しますので、ご覧下さい。

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科へのリンクバナー

▲ページの先頭へ