土質と地質という用語は似て非なるものです。元来、土質が土質力学や土質工学と呼ばれる学問分野から出てきた用語で、土の性質を表しています。一方、地質は表層の軟らかい地盤より深い岩盤や、山岳地の地盤・岩盤の性質を意味しています。感覚的には、土質が軟らかい地盤、地質が硬質な地盤や岩盤を対象としていると言えます。
両者を扱う専門分野は異なり、大雑把に言って工学と理学の違いがあります。そのため技術士の分野でも「建設部門-土質及び基礎」と「応用理学部門-地質」のように区別されており、両者の違いを整理すると下表のようになります。
技術士専門科目 | 土質及び基礎 | 地質 |
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部門 | 建設部門 | 応用理学部門 |
主な出身学科 |
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履修内容 | 土質力学、構造力学、水理学、測量学 | 地質学、地質構造学、地質鉱物学、堆積学 |
主な対象地盤 | 軟弱地盤、一般の土砂地盤人工地盤 | 岩盤、硬質地盤 |
主な対象構造物 | 河川堤防、道路、鉄道、土地造成、橋梁、斜面、シールドトンネル、建築基礎 | 山岳道路、ダム、山岳トンネル、地すべり、斜面、原子力 |
主な要素技術 |
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(基礎地盤コンサルタンツ(株) 岩崎公俊)