近年、人為的な行為に伴って引き起こされる自然由来の重金属や酸性水等による環境汚染が、クローズアップされつつあります。
自然由来の重金属等のうち、有害なため基準が設定されているものを以下の表に示します。
では、自然由来の重金属等・酸性水問題とは、どのようなものなのでしょうか?
それでは、どういったところでこのような問題が多いのでしょうか? 資料や過去の経験などから、特に自然由来の重金属リスクが高い地質条件としては、以下の表に示すようなものがあげられます。
地質条件 | 備考 |
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鉱山・鉱脈・鉱化帯 | 多くは古い鉱山跡やその周辺のズリ山など |
海成堆積物 | 海水は、一部の重金属等を環境基準値以上含んでいる(ふっ素1.5mg/L、ほう素4.6mg/L)。そのため海成堆積物には、海水起源の重金属等を多く含む傾向がある。また、黄鉄鉱も多い。 |
貫入岩脈・熱水脈・変質帯 | 岩脈や熱水脈に沿って、重金属等や黄鉄鉱が濃集するケースがある。 |
温泉・鉱泉 | 一部の温泉は、天然ミネラル分が多すぎて、飲料水の基準を超過するものがある。 |
そもそも重金属等は自然界に普通に存在するもので、人の体にとっても必須元素とされているものもあります。「良薬口に苦し」という諺があるように、重金属等はその摂取の程度によって、毒にもなれば薬にもなります。例えば、温泉の成分の中にはこうした重金属等がとけ込んでいるものもありますが、人はそれをうまく利用して健康維持に利用しています。一方で、それをとりすぎることにより、体調不良や病気につながることもあります。
このように、自然由来の重金属等が原因で人の健康被害を招く場合もあり、その場合はリスクや状況に応じて対策を検討する必要があります。