わかりやすい地質百科

液状化

液状化とは、地盤が地震などの急速な繰り返し載荷を受けたときに、あたかも液体のようになってしまい、支持力を失う現象のことです。従来は、飽和している緩い砂地盤で発生しやすいといわれてきましたが、1995年の兵庫県南部地震などでは、礫質土あるいは細粒分の多い土での液状化も報告されています。

その発生メカニズムは、次のように考えられています。

図 液状化のメカニズム

平常時
液状化のメカニズム。平常時の地盤の状態模式図
地震時
液状化のメカニズム。地震発生中の地盤の模式図
地震後
液状化のメカニズム。地震後の地盤の模式図
  1. 地盤が地震動を受けると、土粒子はより安定化するために体積収縮しようとします。
  2. ところが、地震時のように短時間の急速載荷の場合、砂地盤といえども土粒子間の排水が許されない状態となり、地盤の体積は一定に保たれたままとなります。そのため、体積収縮しようとする土粒子の移動は、間隙水圧の上昇に転化されます。
  3. この間隙水圧の上昇によって、土粒子間の有効応力が減少し、地盤のせん断抵抗が失われます。地震時に見られる噴砂や噴水などの現象は、液状化に起因するものと考えられています。

このような液状化現象は、構造物に多大な被害をもたらすため、事前に地盤状況を十分確認し、それに対応した設計が必要です。

兵庫県南部地震の時に六甲アイランドで見られた噴砂跡の写真

 

兵庫県南部地震(1995年1月)時に六甲アイランドで見られた噴砂跡

 

「復建調査設計株式会社 藤本 睦」

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