人間が環境中に放出している廃棄物や廃液には有害物質が含まれています。
それらの大部分は最終的に地質圏(地下)に浸透し、地下水を汚染します(地下水汚染)。また地層粒子を汚染し、地層状の有害人工地層として固定されます(地層汚染)。
さらに、汚染地層や汚染地下水からは有害ガスが発生することもあり、地下空気を汚染させます(地下空気汚染)。
地層汚染(土壌汚染を含む)、地下水汚染、地下空気汚染をまとめて、地質汚染といいます。これら3つの汚染は、互いに関連しながら進行していきます。
汚染現場周辺の正確な地質構造・水理地質構造を調べ、汚染物質の浸透と拡散など汚染機構とその過程を明らかにして対策を講じる必要があります。
地質汚染の調査・対策の手順は、その現場と社会の実状にあわせて、いかに効率よく地層汚染や地下水汚染、地下空気汚染をなくすかが基本となります。
調査・対策現場では、汚染被害の事前調査と対策→汚染機構解明→診断・予測と対策の決定→汚染物質除去対策→監視(モニタリング)、の流れ図に沿って行うのが合理的です。
地質汚染の原因を地質調査や各種の分析調査で明らかにし、その知見を地球環境の保全に生かしていくことは、ジオ・ドクターとしての重要な社会的役割の一つです。
「第一コンテク株式会社 駒崎友晴」