サウンディングは地盤調査法の一種で、やじり等のような抵抗体を地盤中にねじ込む、叩き込む、押し込むなどの方法で実際に地盤を破壊させ、その時に必要な力を測定して地盤の強弱を明らかにすることです。サウンディングには抵抗体の形や地盤の破壊方法によって表に示す多くの方法があります。
戸建住宅地での地盤調査には、費用も安く、建物荷重に必要な地盤の支持力を簡単に求めることのできる、スウェーデン式サウンディング試験が広く用いられています。特に住宅性能保証の点からも、敷地内で数点以上を実施して地盤を評価し、それに応じた建物の基礎構造を決定するのに用いられています。具体的には以下のように行います。
スウェーデン式サウンディング試験機器
自動式試験機による測定状況
地盤の長期許容支持力度 [kN/m2] |
建物の基礎構造 |
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20未満 | 基礎杭 |
20以上30未満 | 基礎杭又はベタ基礎 |
30以上 | 基礎杭、ベタ基礎または布基礎 |
地盤 | 長期許容地耐力 [kN/m2] |
備考 (Nsw値) |
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砂質地盤 |
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粘土質地盤 |
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関東ローム |
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名称 | 貫入・ 連続性 |
測定値・ 可能深度 |
推定値 | 適用地盤 | 特徴 |
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標準貫入試験(SPTと略す) | 動的 ・ 不連続 |
N 調査深度の制限は基本的にない |
qu、φ、γt qa、E | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す |
一般的である ボーリング併用 JISA1219 |
大型貫入試験 | 動的 ・ 不連続 |
Nd 調査深度の制限は基本的にない |
N値と同様 | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | 砂礫地盤に有効 一般的ではない |
簡易動的コーン貫入試験 | 動的 ・ 連続 |
Nd 3-5m |
N、qc、Nsw | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | 急傾斜地に有効 小規模住宅基礎地盤調査でも使用している JGS1433 |
オートマチィックラムサウンディング | 動的 ・ 連続 |
Nd 30m |
N値と同様 | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | スウェーデンの規格 最近ではSS試験の替わりに多用されている |
鉄研式大型動的コーン貫入試験 | 動的・ 連続 |
Nd 15m |
N値と同様 | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | SPTの補助に利用される |
鉄研式中型動的コーン貫入試験 | 動的 ・ 連続 |
Nd 10m |
N値と同様 | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | SPTの補助に利用される |
土研式動的コーン貫入試験 | 動的 ・ 連続 |
Nd 1m |
N | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | 道路路床調査に利用される |
スウェーデン式サウンディング試験 (SS試験) | 静的 ・ 連続 |
Nsw,Wsw 15m |
N、qu | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | SPTより作業が簡単 人力搬入可能 |
オランダ式二重管コーン貫入試験 | 静的 ・ 連続 |
qt 15-30m |
c | 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す | 周面摩擦の影響を受けない 機材の搬入を要す |
ポータブルコーン貫入試験 | 静的 ・ 連続 |
qc 5m |
c | 柔らかい粘土地盤 | 簡易試験 迅速で簡便な器具 |
三成分コーン試験 | 静的 ・ 連続 |
qc 30m |
c、間隙圧u | 柔らかい粘土・砂質土地盤 | 信頼度が高い 高価な機材 |
電気的静的コーン貫入試験 | 静的 ・ 連続 |
qt 30m |
c、間隙圧u | 柔らかい粘土・砂質土地盤 | 信頼度が高い 高価な機材 |
原位置ベーンせん断試験 | 静的 ・ 不連続 |
τv 15m |
非排水せん断強さc | 柔らかい粘土地盤 | 地盤の強度が直接測定できる |
孔内水平載荷試験 | 静的 ・ 不連続 |
p、r 調査深度の制限は基本的にない |
変形係数,非排水せん断強さ | 孔壁の自立するあらゆる地盤 | 推定値の力学的意味が明瞭である ボーリング併用 |
地盤工学会:地盤調査法1995に加筆
「株式会社ウエスコ 伊藤徹」