わかりやすい地質百科

物理検層

ボーリング孔を利用して孔壁周辺の地層の物理的性質を調べる原位置試験のことです。ボーリング調査では地層から試料を採取して直接的に色、岩質、硬軟、割れ目の程度を調査するのに対し、物理検層では、地層の物理的性質のうち、電気的性質、速度伝播性、放射能強度、温度特性等を捉え、間接的に地層の状況を明らかに使用とする調査法です。これらの種類を表に示します。

物理検層は多くの場合、ボーリング孔内に降下する検知器部分、地表で測定記録する器械の部分、これらを結ぶ電線・ケーブル部分とから構成されます。

物理検層方法の一覧表
調査法 求まる物性値 利用方法 適応地質
PS検層
(速度検層)
P波速度(Vp)
波速度(Vs)
岩盤分類(岩級区分、土工区分)
動弾性係数の推定
耐震設計地盤定数
ケーシング内は不可
崩壊性地盤は塩ビパイプで保護する
電気検層
(マイクロ検層)
見かけの比抵抗値
(ρa)
地層の区分
帯水層の判定
断層の検出
ケーシング内は不可
泥水でも測定可
温度検層 孔内温度
(水温)
水温分布
地下水流動箇所
ケーシング内でも可
キャリパー検層 掘削孔径 掘削孔径の変化状態 ケーシング内は不可
密度検層 散乱γ線強度 地層の密度 ケーシング内は散乱補正が必要

電気検層測定器具

電気検層測定器具の写真

電気検層・温度検層測定事例
電気検層・温度検層測定事例グラフ

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

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